古の摂理へ

2015-10-27 13.40.54

『ダルマの民俗学』   吉野裕子 著   岩波新書

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

最近、「陰陽五行」というものに興味をもって、勉強しています。東洋思想で言う万物の根源「五気」をもってこの世界を理解しようというもの。五気とは木気、火気、土気、金気、水気。「行」はその動き、ということのようです。

 

そしてそれぞれに陽(兄・え)と陰(弟・と)があり、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十タイプとなる。読みはそれぞれ、きのえ、きのと、かのえ、かのと…と続きます。これらのタイプを十干(じっかん)と言い、すべての人はそのどれかにあてはまる。

 

それは生年月日からわかって、私は甲(きのえ)の人です。木の兄(陽)、イメージで言うと大木だそうで、木の家づくりとは、まさにぴったりの志事なのかもしれませんね。

(※自分がどのタイプか調べたい方は、こちらから。)

 

陰陽五行についての本を渉猟していて、ふと見つけたのがこの一冊。どうやら「ダルマ」が主役のようです。ダルマ=達磨大師だというのはわかりますが、それがどう五行と結びつくのか?そんな疑問から読み始めました。

 

内容の全てはとても書けませんが、江戸時代までの日本人にとって、この陰陽五行というのがどれだけ影響力をもっていたかということ、その生活の全てに浸透していたということが、よくわかります。

 

五行を元にして、その五気のそれぞれに、色んなものがあてはめられています。例えば「五色」だと、木が青、火が赤、土が黄、金が白、水が黒。「五方(方角)」だと、木が東、火が南、土は中央、金が西、水が北、というように。

 

そして色、方角、時間、音、臓腑、味、声、生物などなど、全ての事象やものを、この五つの気との対応関係で理解していたんですね、昔の日本人は。五行配当表というものを見ると、その多様さに驚きます。

 

そして我々のご先祖にとって最も大切なことは五行の「行」であり、五気をつつがなく回していくことこそ、この世界をあるべき形にたもつ術だったのですね。

 

いわゆる節句など季節の行事や習わしは、全てこのためにあると言っても過言でないほど。それがこの本を読むとよくわかります。そして主人公のダルマさんも、例外ではない。

 

ダルマは、火気の象徴として扱われ、炎の赤を身にまとう。火気は「五事」という人間の行為で言うと「視」にあたり、まん丸な目をカッと見開いて、こちらを睨んでいる。願い事が叶った時に眼を書き入れるということも、無関係ではないようです。

 

詳細はお読みいただくとして、本書は、ダルマという日本人の中に今も根強く浸透している親しみやすいキャラクターを入口にして、現代人に伝える試みだといえるでしょう。古の先人たちがずっと大切にしてきた世界の摂理を。

 

今やその思想を忘れ去ろうとしている日本人への再入門の手始めとして、とても興味深い一冊です。


「古の摂理へ」への2件のフィードバック

  1. 陰陽五行論、流石、ご興味があるだけ上手くご説明されてます。

    さて、12/18日10:00-12:30お借りしたいと思います。

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