琳と鳴るもの

2015-10-29 12.57.12

琳派誕生400年記念 特別展覧会 『琳派 京を彩る』   京都国立博物館

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は、夕方のお客さまご訪問までの時間、お休みにさせていただきました。そして狙っていた展覧会に、京都まで行ってきたんです。上にも書いた『琳派 京を彩る』展です。

 

場所は、京都国立博物館。冒頭の写真はその本館、宮廷建築家・片山東熊によるフレンチルネサンス様式の傑作です。明治28年竣工のこの建築の雄姿も、久しぶりに観ることが出来ました。

 

といっても、今回の展示は「平成知新館」という別棟で開催されているのでした。でも四角くてガラス張りの現代建築よりも、この120年の歴史をまとった建物の方に、思わずレンズが向いた次第。

 

この展覧会は、尾形光琳の名をとって「琳派」と呼ばれる作風の作家たちの作品展です。その始まりは光琳・乾山兄弟よりも100年前、本阿弥光悦と俵屋宗達のコラボレーションに始まったと言われていますね。

 

光悦、宗達の作品、そして光琳、乾山の作品、そしてその後継者たる酒井抱一、鈴木其一などの作品も並び、「琳派」の流れを知ることが出来る展覧会となっていました。

 

途中展示替えがあって、一昨日から「3つの『風神・雷神図』(宗達、光琳、抱一)」が見られる」とあって、今日は平日にもかかわらず、たくさんの人出でしたね。ちょっと疲れてしまいましたが、やはり素晴らしいものがたくさんありました。

 

私の今回の一番の狙いは、琳派創始者、本阿弥光悦の「うつわ」でした。銘を『雨雲』と言います。こんな茶碗です。

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そしてもうひとつ、銘『乙御前(おとごぜ)』。

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どちらもとても素晴らしかった。もうひとつ、銘『弁財天』という茶碗も出ていて、三つをじっくりと味わってきたんです。

 

光悦の茶碗の特徴は、やはりその口辺でしょう。ためらいなくズバッと切ったようなかたちが、独特の風情を感じさせます。光悦の本業が刀剣の鑑定であったことと、その美意識は無関係ではないと思いますね。

 

人混みに紛れつつも、観たいものに集中して、しっかりと眼福を得てきました。そして帰りの電車でふと思い立って、琳派の「琳」の字の意味を調べてみたんです。そうしたら、こう書いてありました。

 

「美しい玉。また、玉が触れ合って鳴る、澄んだ音の形容。」

 

これを読んで、なんだかとてもわかる気がしたんです。私にとって琳派の作品は、いつも音が鳴っているような絵だから。狩野派の絵には感じられない、音楽を感じます。

 

あの金地がそうさせるのか、画面の躍動感か、描かれたものたちのあり様か、それはわかりません。今日はたくさんの見物人の中で、それが聞き取りにくかったのが、少し残念でしたね。

 

今度はまたゆっくりと、琳と鳴る音楽を楽しみに行きたいもの。そんなことを想いながら、京都を後にした私でした。


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