多面体を愛せ

2015-11-25 17.24.33

〈友人の拵えた展示と、その説明。双方相まってより深くその思想を伝えてくれるようでした。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS 木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は夕方から、友人の宇野由紀子さんが開催されている展示を観せていただきに、天満橋へと立ち寄りました。題して「ワタシにオサメル展」。

 

宇野さんは何度もこのブログに登場されている、収納サポートグッズのウェブ販売「収納の巣」を運営されている方。私のKJWORKS阪神の「木の空間」にも、同店の収納用品がたくさん並んでいます。

 

暮らしの中で「収納」という部分に関わる志事をされながら、しかし今回の展示はその枠組みの大きな広がりを感じる、まさに宇野由紀子ワールドになっています。そこに込めた想いを、今日はご本人からじっくりと聴かせていただきました。

 

宇野さんはご自身を「ライフテクスチャリスト」とも名乗ってらっしゃいます。しかし、私はこの言葉について、いまひとつその意味するところが掴めていませんでした。それも正直に白状し、そことも絡めて色々と教えてもらいましたよ。

 

冒頭の写真は、その展示の風景。会期はあと3日あるので、是非それぞれのモノは直にご覧いただきたく思いますが、私は宇野さんの説明を聞いて、「おさめる」という字が2つ並んで出来ている「収納」という言葉のもつ意味や力が、自分の中で変容するのを感じました。

 

また、ライフテクスチュアという言葉も、ものづくりの志事である私は、テクスチュアという言い回しに惑わされていたようです。暮らしの質感、心の、時間の質感。こちらの言い回しの方がしっくりくる。それは「質感」という言葉を器にして、それぞれの中に揺れ動くものを掬いとること、なのでしょう。

 

そして、もののあり様とは常に一義的ではなく、絶えずこちらに見せるものが移り変わる、いわば多面体のようなもの。その違った面を見つけることで、また違った心の質感が器に掬いとられる。

 

そのモノと心の関係が新たになることで、それが自分の中にある位置を占めること。さらにはモノとモノとの関係性から抽象されるものも、モノが変わればまた位相を変え、違う音色で自分へと響いてくること。そんな心地よさこそ「ワタシにオサメル」ことだと、私には思えました。

 

宇野さんから聞いた話。ある方がこの展示を見て、「収納って自分におさめたらいいんですね!」と言われたとか。とてもシンプルな一言ですが、でもよく考えれば、それが全てとも言える深さがありますね。

 

モノと自分との関係の距離や厚みを探るとき、そのモノの多義的なあり様が見えたなら、その多面体のどこにマークをつけて「オサメル」のかを考えることは、とても愉しいはず。多面体であることを愛すべし、モノも、己も。

 

宇野さんの展示はそんな愉楽へのいざないに満ちていました。解説を聞くほどに深まるその魅力は、目と耳から味わうべきもの。ご本人も夕方はご在廊のようにて、いまだ未体験の方は、是非に。


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