椅子の正面

2015-11-28 12.33.32

〈東京で、ある椅子に感心し、そのデザイナーのお店も急遽訪ねてみました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は、先日行った東京でのよき出会いについて書きます。ブログでふれたIFFTからのつながりで、とても良いところへ行ってきたんです。あるデザイナーさんの志事を訪ねて。

 

冒頭の写真がそこ、新宿のOZONEビルにある「TAIYO no SHITA」という名前の家具、雑貨のお店です。ここ、小林幹也さんとおっしゃるデザイナーさんが、自分のデザインしたプロダクトをメインに、展示販売しているところなんです。

 

小林さんのお名前は、以前から耳にしていた記憶がありました。「kime」という木を使った雑貨のシリーズ、そのセンスがよくてちょっと可愛らしい感じのデザインに、上手いなあと思っていたんです。kimeはKJWORKS本社「くらしの杜」にも置いてありますので。

 

IFFTでそれを扱ってらっしゃるドリーミィ・パーソンさんのブースを拝見し、未発売の新作にも惹かれました。そしてその後、こちらもKJWORKSと懇意にしていただいている匠工芸さんの「yamanami」というシリーズを見て、あ、これも小林さんなんだ、となった次第。

 

そして、小林さんが新宿で店をやっておられることも知って、どうしても行ってみたくなったんです。翌日、お客さまとの打合せを終えてから、帰りの飛行機の時間までに、猛ダッシュでなんとか滑り込み、見学することが出来ました。

 

お店の滞在時間20分でしたが、ちょうど小林さんご本人もおられました。汗をかきながら、ここに来た理由をご説明し、お店や商品の案内をしていただくことが出来たので、ラッキーでした。そして、そこで小林さんがおっしゃったひと言が、とても印象に残ったんです。

 

私が匠工芸さんで見て、座って、感心した椅子はこれ。「YC-2」と言います。

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わざわざこの角度の写真を上げたのは、小林さんの言葉と大きな関係があるからです。この、後ろ脚が下に向かって狭まっていくかたちはかなり珍しい。そしてそこと前脚とを繋ぐ部分の形状も、特徴的ですね。

 

といって、デザイン倒れではなく、とても座り心地がいい。IFFTで見た時の驚きと感想をそのままお話したら、小林さんはこうおっしゃったんです。「こちらが正面とも言えますね」と。「こうすることで空間が広く見えることも意識しています」と。

 

私は家をつくる志事ですが、家の中で、暮らしの中で、椅子をいわゆる正面、座面の真ん前から見るということはほとんどありません。テーブルの下に入っているし、人が座ったらその姿は見えません。小林さんが言うように、むしろ後ろの方が正面だと、私も思っているんです。

 

なので、その言葉に非常に共感し、一気に親近感がわきました。他のデザイナーさんもそう思っているのかもしれませんが、直接お話して、そういう言葉を聞くのは初めてでしたので。

 

この椅子に限らず、お店にあるどの商品もセンスよく、どこか可愛らしさをもちながらデザインされ、ちゃんと小林幹也の世界をもっている。メーカーの違いを超えたデザイナー本人の店だからこそ、わかることですよね。それがとても面白い。

 

もちろん、その全てが私の好みではありませんが、これは、と思った椅子のデザイナーさんとの対話は、とても刺激的な経験でした。IFFTも含め今回の東京では、「売り手」ではなく「つくり手」との対話を重ねられたのも、大きな収穫だったんです。


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