素材とつくり

2015-12-11 16.30.42

〈木の家とはまた違うすっきり感をもつ住宅のヒミツ、色々チェックしてきました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日に引き続き、興奮冷めやらぬ口調にて「堀田カーペット」さんのお志事を紹介させてくださいませ。今日は、工場のあとに見学させていただいた堀田専務のご自宅から。

 

冒頭の写真はその玄関からリビングに至る動線の途中、階段上から撮ったものです。このお宅はこのように、玄関、廊下とすべての居室、さらにはキッチンや洗面脱衣室に至るまで、ウールのウィルトンカーペット敷になっています。

 

カーペットでないのはトイレや洗濯機の下、冷蔵庫の下くらい。家具もKJWORKSの木想家と同様、造付けがほとんどですので、カーペットとうまく納まっていました。

 

それらの造付家具類もそうですが、この写真、とてもすっきりとして清々しい感じがしますね。昨日の見学で私が強く感じたのは、カーペットを敷くということを前提として、各部分のディテールがかなり詰めて考えられているということです。

 

例えば、床と接する壁の一番下の部分には「幅木(はばき)」と呼ばれる床から少し立ち上がった部位があります。これは掃除機が当たったりすることから壁を保護する意味合いがあったりするので、出来れば付けておきたいものです。

 

しかし、木の床ならば木の幅木で問題ないのですが、床がカーペットで、壁が塗りだと、床と壁の間に細く別の素材を入れたくない感じになる。ここでは壁がポーターズペイントという、木想家でも使ったことのある質感の良い塗り素材なので、なおさらです。

 

なのでこの家の壁は、一番下で幅木に代わる部分を同面、同色で納めていました。冒険だとは思いますが、そのすっきりとした見た目は、とても効果的です。

 

カーペットそのものは、グリッパー工法という施工法。一番端が床の中へ巻き込まれたようなかたちで、これもすっきりとおさまりますね。このカーペット張りの階段の端部などは、非常に美しい。堀田さんがここは幅木をなしにした理由が、よくわかります。

 

KJWORKSの木想家が、すべてカーペット敷になることはおそらくないと思いますが、部分的にカーペットにする部分と、そうでない部分、そこでの幅木の扱いはどうするのか。それを解決しつつ、すっきりと納められるようにカーペット敷の部分を決めるにはどうしたらよいか。

 

堀田さんのご自宅のディテールを眺めながら、自分ならどうする、木の家ならどうなる、色んな納まりが頭を駆け巡ります。他のつくり手による木の家を見ていている時とは、頭の違う部分が活性化している感じがしました。

 

異素材と出逢い、それをうまく自分のもつ世界と馴染ませること。素材の相性がよくても、つくり方、見せ方の相性が悪ければ、仕上がりは心地よいものにはなりませんね。

 

その意味で、カーペット尽くしのお宅は、非常に刺激的なものでした。ここからまた何かが生まれ、素材も、つくりも響きあうような空間に結実していけば、さらに佳き「暮らしの実現」が成るはず。

 

見学後の雑談で、そんな想いを堀田さん、そしてご一緒した松下さん宇野さんとも共有できました。暮らしのシゴトの仲間、ものづくり人との語らいはいつも、己を高めてくれる気がしますし、だからやめられないのであります。


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