よりみち詣で

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〈宮崎からいつもの便で帰れない分、別の楽しみを味わってきました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり、暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今回の宮崎帰省、実は帰りの飛行機も、フェリーも、予約を取ることが出来ませんでした。フェリーが取れなかったので、実は行きのフェリーも人間だけの乗船だったんです。

 

この場合、九州新幹線を使って帰るしかなくなります。時間も飛行機に比べるとずいぶんかかる。困ったなあ、と思いましたが、でも今回はそれを前向きに考えることにしましたよ。

 

飛行機やフェリーに出来なくて、遠距離の列車の旅には出来ることを、活用することにしたんです。そう、それは「途中下車」。ということで、新幹線を広島で一度降りることと相成りました。

 

そして向かったのが、冒頭の場所。皆さんご存知、宮島の厳島神社です。せっかくの三が日の旅、しかも列車での帰阪の途中にある社、寄らない手はないかと。

 

乗車券は途中下車可能ですから、新幹線の特急券を二つに分けて買い、広島下車から先はJR山陽線と連絡船を乗り継いで、宮島へ向かいます。

 

宮崎は昨夜から雨でしたが、広島はお天気も良く、とても暖かくて、心地よい在来線と船の旅になりました。私は三度目の厳島神社で、正月に来るのはもちろん初めてです。

 

連絡船が段々と海の中から聳え立つ大鳥居に近づくと、やはりとても気持ちが高揚してきますね。昔の人がくぐって通った「海の参道」、その独特の景観はやはり素晴らしい。

 

連絡船も満員、そして参拝ルートも長い行列でしたが、本当に久しぶりに朱塗りの御本殿に詣でることが出来ました。その、他にない社殿や鳥居のあり方に、うちの末っ子も、かなり興奮気味でした。

 

それは舞台で、雅楽の音に合わせた神楽が上演されていたこともあるのでしょう。人混みの後ろからではありましたが、ちょうどそうした珍しい体験ができてよかった。

 

しかし、この「海と一体化した社」というコンセプトは凄い。何度来てもそう感じます。厳しい自然、雄大な自然のなかに神をみるという日本人の世界観が、まさにそのまま伸びやかに形になっているようです。

 

できれば行列の中でなく、もっとゆったりとこの場、この空間を体感したかったですが、でも年の初めにそうした世界観をもつ先人の遺産にふれ、己もその末裔であることを意識できたのは、とても得難い時間でした。

 

帰阪の途の不具合から生まれた「寄り道詣で」、思った以上に鮮やかに、2016年の始まりを彩ってくれたようです。いま、帰りの新幹線のなかで、心地よくそれを反芻する私です。