神代の水場

2016-01-02 15.14.10

〈ずっと知らなかった、ただならぬ由緒をもつ池に、初めて訪れました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日で年末年始の休みも終わり、明日からKJWORKS阪神は通常業務に戻ります。休みの最後にもうひとつだけ、帰省先の宮崎で体験してきたことをご報告させてくださいませ。

 

冒頭の写真の場所に、今回はじめて行ってきました。2日のブログで書いた、江田神社という古い社の近くにある池で、名前を「禊池(みそぎいけ)」と言うところです。

 

松林の中を抜けると表れる水面。他にひともおらず、とても静謐な雰囲気です。小さく写っていますが、四方には御幣が立てられていました。古い伝承によれば、この池で天照大神(あまてらすおおみかみ)が生まれたという。まさに聖なる池なんですね。

 

江田神社が祀っているのは、伊邪那岐尊と伊邪那美尊(いざなぎ・いざなみ)。国産みの神と称される二人の神様です。そのうちの男神、伊邪那岐が禊をおこなったのが、この池なのだそうです。

 

火の神を産んで亡くなった伊邪那美を追って黄泉の国に行った伊邪那岐は、逃げ帰ってきてから、ここで黄泉の穢を清めたそうです。そして池の水で左目を洗うと天照大神が、右目を洗うと月読尊(つくよみのみこと)が、鼻を洗うと素盞鳴尊(すさのおのみこと)が生まれた、と。

 

このことは『古事記』にも『日本書紀』にも書かれていて、『古事記』にあるその地名は「竺紫日向之橘小門之阿波岐原」だそう。「ちくしのひむかのたちばなおどのあわきがはら」と読みます。

 

そして私の奥さんの実家からこの江田神社に至る辺りは、今も住所が「阿波岐原」なんです。すごいですね。「橘」も「小門」も、近くに地名が残っているんですよ。

 

そういうことを今まで、去年江田神社に行った時も、知りませんでした。神社のすぐ近くに、こんな由緒ある場所があるなんて。私にはあまり感じることが出来ないのですが、神社も池も、すごいパワースポットだといいます。

 

禊というおこないの始まりの水場。ここでも、そして昨日の厳島神社でも感じたことですが、やはり日本人は古来、「水」を聖なるものとして、それによって「穢」を清めるという思想をもっている。それが、こうした後世に遺る伝承からもよく理解できるのです。

 

今回は冬場のことで、少しさびしい様子の禊池でしたが、でも空気は凛としていて、心地よかったです。ここが一番華やかになるのは初夏の頃だそうで、その時季にはこの水面を、美しい黄色をした睡蓮の花が埋め尽くすそう。きっと夢のような光景でしょうね。

 

是非いちどその季節にも訪れてみて、また違った神代の水場の姿を感じ取ってみたいもの。静かな水面を見ながら、そんなことを考えていた私でした。


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