今までなかったもの

2016-01-23 14.39.48

〈めでたい上棟式。骨組みが上がると、今までとは違う打合せの意味合いが生じてきます。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は、一昨日に建て方のことを書いた宝塚の木の家で、めでたい上棟式でした。私が現場で見ていた段階から、その日のうちに棟上げをし、今日は屋根架構と野地板まで出来ていました。

 

そんな骨組みにブルーシートをぐるっと巻きつけ、寒風を防ぎます。そして御幣に向かって二礼二拍手一礼、四方清め払いと、最後はお施主さんと大工さんの顔合わせと楽しい懇親の会である、直会(なおらい)まで。

 

建て方によって家の骨組みが出来上がると、それまで基礎だけだった現場に、一気に3次元空間が姿を現します。今までお客さまから何度もお聞きした言葉、今日もやはり頂戴しました。すなわち「基礎の時は小さく感じたのに、建ち上がると大きいですね」と。

 

実は、この家のお施主さまはその職業柄もあって、とても「図面が読める」方です。なので実施設計段階でも、かなり詳細図や設備図を元にして、細部まで意思疎通を図りながら打合せが出来ていました。

 

私たちとしてもとてもやりやすかったのですが、でも今日現場で、「やっぱりわかっているようでも見落としていたり、把握できていないところがありますね」というようなお言葉があったんです。

 

それはどんな方でも必ず起きる、無理からぬことです。ですから、実施設計中に一旦は決めていても、こうして3次元空間になった時点で「本当にそれでよかったですか」と確認すべきことは、再度現場打合せとなることもありますね。

 

そう、建て方を終えたこの状態の現場にならないとわからないこと、実感できないことはたくさんあります。その意味で建て方以前と以降は、お客さまの感じ方に大きな違いがあると言えるでしょう。

 

最初に書いた「3次元空間として体感ができる」ということもそうです。広さの感覚、高さの感覚がはっきりとわかってくる。そしてもうひとつ大きいのは、「建物から何が見えるか」がようやくはっきりすること。これは模型からは想像が出来ないことです。

 

さらに、視覚情報だけではなく、木の家の香りや肌ざわりが、ようやく自分の家の空間のなかの情報として感じられてきます。そうした総合的な「私の家」への身体感覚が一気に湧き起こってくる、そうした契機なのですね、構造が組み上がるというのは。

 

そして今からは、その身体感覚と今までの想像とのずれがもしあったなら、可能な限りそのずれを修正していく、という段階であるとも言えるでしょう。そうした意味で、お客さまとの打合せも、また新しいステージに移行しているというわけ。

 

五感に訴えかけていくる3次元空間という、今までなかったものを全身で知覚し、そこからのフィードバックを組み入れながら、さらに色んな部分の詳細を詰めていく。

 

この木の家も、これからはそうした段階です。現場が進んで遅きに失することのないよう、必要事項の確認もしっかりやっていきましょう。


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