触れたいうつわ

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〈KJWORKS本社のギャラリーには、木目と漆のうつわ達が並んでいました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日は造付け家具のことを書きましたが、夕方からは会議のため本社に行っておりました。そうしたら、またカフェ・ギャラリーのスペースが少し模様替えしていましたので、今日はそのことを。

 

冒頭の写真がその様子。いま、玄関を入った一番いい場所に「木の食器」がずらりと並べられています。お皿、お椀、マグカップ、スプーン等のカトラリー類、そしてぐい呑みなどの酒器まで。

 

南木曽の木地師さん「ヤマト小椋商店」さんによる、轆轤びきに漆塗りのうつわは普段から常時展示してありますが、かたちも風合いも素晴らしい。日本人の心をくすぐる味わいです。

 

そんなお椀やマグカップ、ぐい呑み、そしてスプーンなど、木でつくられた食器たちは、なんといっても軽いこと、そして「熱くならないこと」あるいは「冷たくならないこと」がその特徴です。

 

木材の熱伝導率が低いことからそうなるのですが、このことが、日本人の食文化そのものに大きく関係していることは、あまり皆さん意識しておられないのではないでしょうか。

 

日本人は、お椀を手に持って、お箸で中身を食べ、お汁をそのままお椀から飲みます。ごくあたり前にやっているこの食べ方はしかし、世界的に見ればかなり独特のもののようです。

 

フレンチやイタリアンなどの西洋料理がそうでないのはよくご存知かと思いますが、お隣の韓国でも器は卓に置かれ、そこからスプーンで食べます。韓国では器は金属製。銀器が一番よいものなのだそうですね。となれば、熱いものを入れたら、もつことができませんから。

 

日本でも今はたいていのご家庭がダイニングテーブルで食事をされると思いますが、ほんの150年ほど前には、もちろんテーブルも、そして卓袱台もありません。家族それぞれのお膳の上に食器が並んでいました。

 

そこから持ち上げて、口元で食べる。その食事作法は、箸を使うこと、お膳を使うこと、木の器を使うこと、そして平らな床に座って食べること、その全ての要素が絡み合って出来たものなのでしょうね。まさに「うつわの食文化」。世界中のどの国にも、そんな独自の関連性があるはずです。

 

例えば、お味噌汁が磁器などの焼き物のお椀に入っている。それだけで、ちょっとした違和感がありませんか?さほどに「木の器に口をつけて汁を飲む」という行為は、日本人のDNAに深く刻まれている、そう感じますね。

 

一般的にマグカップやぐい呑みは焼き物、スプーンやフォークなどは金属ですが、でもそれらも、この写真に並んでいる木の食器をつかうと、口に入れた時の感覚がまた全然違っているんですよ。唇や舌は、その素材の違いを敏感に感じ取ってくれます。

 

唇や舌で触れたくなるような、そんな食器たち。これも木の良さですね。実はぐい呑みなどの酒器ははじめて見たので、昨日からちょっと食指が動いている私なのであります。


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