日々の書き味

2016-02-05

〈永く愛用したペンの代わりを見つける道のりは、なかなか大変なのです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は文房具の話です。とても些細な、細かい、でも私にとっては大事なことなので、書く気になりました。ご興味おありの方、しばしおつきあいくださいませ。

 

かれこれ15年ほど愛用していたFABER-CASTELLのボールペンが、ついに携行からリタイアとなりました。芯を入れて締めるネジの部分が馬鹿になり、何かの弾みですぐに取れるようになってしまったんです。

 

デザインも、太さや書き具合もお気に入りだったので、とても残念。捨てずに事務所でだましだまし使うことにしましたが、外出のお供はもう難しそうです。お客さまの前で分解してしまってはいけませんから。

 

ということで手帳に挿しておくボールペン、代わりのものを探しましたが、私の好む条件に合うものがなかなかない。条件というのは、デザイン、素材、書き心地と、そしてもうひとつ大事なのが、インクです。

 

ボールペンには油性インクのものと水性インクのものがありますね。私、この油性インクの線がどうしても好きになれません。中途半端な色合いも、インクの質感も、書く感覚も。水性インクのくっきりとした黒がいいんですね。

 

でも、ボールペンのデザインで「いいな」と思うものは、油性インクのものが多い。冒頭の写真は分解されたボールペンですが、これもそのひとつです。KJWORKSが木の家に使っている熊本の小国杉を「圧縮木材」にした、無垢の木のペンなんですよ。

 

これもだいぶ前からもっていて、その素材感はとても良い。でもやはり油性インクということで、日々の使用には供していませんでした。普通、油性の芯と水性の芯はそもそも太さが違いますから、入れ替えが効かないんです。

 

でも、今回FABER-CASTELLの代わりを探して良いモノが見つからないので、この無垢の木のペンを使う前提で、そこに使われている細い油性インクの芯の代用となり得る水性インク、もう一度真剣に探してみることにしました。

 

結果、かなり色々調べて、見つけた、見つけましたよ。細い水性インク(ゲルインク)の芯。それは、何本も芯の色を切り替えて使うタイプのボールペン用のものだったんです。

 

写真の一番上に写っているのが、その水性ゲルインクの芯です。太さも長さもぴったり。うん、これならOKとほくそ笑んで差し込んだら、おお神よ、もうひとつの問題が発覚。

 

このボールペンはノック式ですから、芯の前にバネをはめて、その弾力でノックを効かせます。そのバネが芯の途中で引っかかるようになっている。その「チョボ」が水性ゲルインク芯には無いんですね。

 

で、私はどうしたか。それは写真にも写っています。上のゲルインク芯の途中に、よく見ると白い帯がくっついていますでしょう?これ、木工用ボンドを芯に塗ったんです(笑)。これが乾くと、バネを留める出っ張りになるというわけ。

 

透明になったボンドのところへバネを差し込んで、本体に装着すると…お、いけるいける。ちゃんとバネのストッパーになりました。うん、これで水性ゲルインク入の、無垢の木のボールペンになりましたよ。

 

何も芯にそこまで、と思われた方もおありでしょう。でも私にとって日々のペンの書き味、インクの質感は、とても大切。それに自分の好きでないものを使うことは、考えられません。

 

かなり時間をかけましたが、ようやく新しく使えるペンが手帳に挿し込まれ、ほっと一息です。これで文字も、そして木の家のスケッチも、よい書き味で再開できます。

 

出来ることなら、この私の嬉しさが皆さんにも伝わること、切に願ってやみません(笑)。


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