こがらな貴女に

2016-02-29

〈家具ショップがオリジナルチェアをリリース。そのお披露目を楽しんできました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日は木の家の完成見学会のことを書きましたが、そのあと夕方から、芦屋に戻って「椅子の完成見学会」へ参加してきました。お世話になっているセレクト家具ショップ「J-qualia(ジェイクオリア)」の松下さんからのお誘いです。

 

完成見学会というのは家づくり業界の言葉ですね。家具の世界ではなんというのかな、「新作発表会」という感じでしょうか。今回は、J-qualiaのオリジナルチェアが出来たよ、というお披露目の会だったんです。

 

冒頭の写真がその椅子「turu」です。デザインはまさに屈指の木の家具デザイナー、村澤一晃さん。そして制作は、家具づくりの工房をしておられる新木聡さん。椅子の後ろの壁にあるのは板に描かれたこの椅子の図面で、これも椅子と同様に美しい。

 

量産体制の家具メーカーとデザイナー、というつくり方はよくおこなわれていますが、デザイナーと家具工房という組合せは、あるようであまり聞かない方法なのでは。今回は、ショップであるJ-qualiaの松下さんのプロデュースだからこそ実現したもののようです。

 

実は私、完成見学会が長引いたため、大幅に遅刻していったのでした。ですから一番いいところ、村澤さんと新木さんの対談や椅子の説明なども聞きそびれてしまいました。とても残念でしたが、でも座らせてもらうことは出来ましたよ。

 

私が遅れて参加した時、松下さんがこう言われたんです。「この椅子は小柄な女性に向いている、ということで、◯◯さん、是非座ってみてください」と。そして指名を受けて座られた女性は小柄な方で、座った姿が確かにしっくりきているように見えます。

 

対談や説明の時間が終わった後に、私も座ってみました。お、確かに、私には座面が少し浅い。おそらくその名前の元になったであろう短いアームの位置も、ちょっと低い。

 

なるほどなあ、と大いに感心しました。私の知っている範囲でも、こういう椅子はあまりありません。でも、椅子というのは体をあずけるものですから、体格にフィットするものであるべきなのは、当然といえば当然ですね。

 

椅子の場合、「大は小を兼ねる」とはいきません。大きなゆったりとした椅子には、小柄な方は座りにくいし、その逆もある。特にアームチェアの場合は、体格によってアーム位置の「いい場所」が違うはず。

 

私は昨日のお話を聞くことが出来ませんでしたが、きっと開発の当初から、そういったターゲット設定のお話があったのでしょう。そこへ向けて、サイズもデザインもまとめあげられている。さらに、工房ならではの微妙な加工も施されているのでしょうね。

 

曲線を主体にした愛らしい雰囲気をもちながら、かなり大胆な構造をもっていると、私には感じられました。アームから前脚へのライン、背から後脚へのラインが「やっとこ」のようにクロスする辺りがとても面白いのです。

 

今までなかった新しい椅子を世に送り出す、というのは物凄いエネルギーを要することのはず。ものづくりの要点はサイズではなく密度であり、文房具のような小さなものでも、密度の高いものはすぐにわかります。

 

この「turu」からは、その密度がびりびりと伝わってきました。私の「木の空間」には、小柄な女性のお客さまも多いことだし、ちょっと次回は松下さんに、聞きそびれた辺りのお話を、じっくりとお伺いしてみようと思っているんです。


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