読まれる幸せ

aozorabunko

〈古今の名著を、手軽にスマホやタブレットで。そんな取り組みをご紹介いたします。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は本のことを書きます。本というより、文学作品についてですね。最近知ってとても驚き、共感したこと、皆さんと共有させてくださいませ。

 

まずは冒頭の写真をご覧ください。これ、私のPCでのAmazonの画面です。同じ表紙デザインの本がたくさん並んでいますね。タイトルを見ると、いわゆる名作と呼ばれるものばかり。そして価格はどれも「Kindle版 ¥0」となっています。

 

先日『大阪 地名の由来を歩く』という本の書評をここに書きましたが、その一章に「文学に描かれた大阪の人と風土」というのがありました。そして大阪を描いた文学作品が色々と紹介されていたんです。

 

とても読みたくなって、そこにあった『大阪の宿』『木の都』という古い作品をAmazonで検索。そうしたら、このような対価を求めない電子書籍が出てきた、というわけ。これらは「青空文庫」所収の作品たちです。

 

青空文庫という名前は前から知っていました。著作権の切れた作品を電子化している団体だと。でも、それらの電子書籍がこんな風にAmazonでKindle向けに取り扱われているということは全然知らなかったので、驚きました。

 

ご存じの方はあまりおられないでしょうし、私もよくわかっていませんでしたが、日本の著作権法での作品の保護期間は作者の死後50年。冒頭の写真にある錚々たる作家たち、谷崎潤一郎、夏目漱石、柳田国男、江戸川乱歩なども、その対象なんですね。

 

そして、写真の右上をご覧いただくと、「青空文庫からの提案」という書籍が。早速ダウンロードして読みましたが、これは書籍というより、利用者に向けて運営のコンセプトや想いを綴ったものでした。少し引用を。

 

「これら共有の財産として自由に分かち合えるようになった作品を、出版社の商品を買うことでしか味わえないのは、いかにも不自由です。誰かが一度電子化の作業をにない、後はみんなで自由に読み回すほうが、よほど健全でしょう。」

 

そして、電子化と共有という自らの志事を、こう表現されていました。「青空に本を開く」と。よい言葉ですね。言うは易し行うは難し、実際にはたいへんな手間の筈ですが、「工作員」という名でその作業そのものもシェアしていこう、というその想いと姿勢に、大いに共感した次第。

 

また、その「青空に開かれた本たち」が、Amazonという大きなメディアとの連携によって、読みたい私たちに届く。これもまた意義あることですね。AmazonにはKindleを広めるという狙いもあると思われますが、しかしメディアとしての力は絶大ですから。

 

どなたかがこの文書へのカスタマーレビューに書かれていました。「古今の名著は広く読まれてこそ価値があると思っています」と。私も同感です。きっと作者も、作品たちも、もっと多くの人に読んでほしいはず。「読まれる幸せ」を感じたいはず。そう思うんです。

 

素晴らしい文章、作品世界に触れることで、己の中に波が立つ。その波が己を変える。読書を愛する私としては、そうした心揺さぶる文学体験を、特に学生さんやお若い方にもっともっと味わってほしい、そう心から想うものです。

 

そんな体験への扉を開くこうした試みは、とても意義深いもの。是非皆さんも、青空に開かれた素晴らしい本たちを、Amazonでチェックしてみてくださいませ。


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