自在に引戸

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〈新築時の想定と違う方法でのプチリフォームも、建具のおかげで上手く進んでいます。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は朝から、三田市で進んでいるプチリフォーム現場へとまた足を運びました。大工さんの進捗確認と打合せ、そしてお客さまへ追加のご依頼内容の見積りをおもちするため。

 

このプチリフォームは、大きくなってきたお子さんのために子供部屋をつくる計画なのですが、先日もここに書いたとおり、新築時の想定とは違った形で、ご夫妻の寝間まで巻き込んでの改修になっています。

 

今日の冒頭の写真は、そのご夫妻の寝間の中に壁をつくっているところ。まだ骨組みと入口の枠だけが付いている状態ですが、寝間の中に壁を立て、向こう側が子供部屋、手前が通路になるんです。

 

そして右奥の入口から入っていく、寝間に付属した収納部屋が、もうひとつの子供部屋になります。寝間+収納部屋が、子供室2つへそれぞれ廊下からアクセス、というように変わるわけですね。

 

反対側から見ると、こんな感じ。

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向こうの壁に板が張ってあるのは、元々エアコンが付いていた場所です。跡が残っているのを中途半端にふさぐのではなく、大きく板を張って、掲示板やモノが飾れる壁にしてあるんですよ。

 

そして冒頭の写真をもう一度見ていただくと、一番奥に収納があるのがおわかりでしょうか。一間幅の、押入れのような引違い戸の収納。そのちょうど真ん中に、壁がつくられていますね。

 

お客さまと一緒に間仕切りの仕方を検討していて、私から「ここへ壁を立てましょか」とご提案したのですが、このように引違い戸の中央に壁を立てるというのは、普通はあまり思いつかないのではないでしょうか。でも、引違い戸だからこそ、この壁が提案できるんです。

 

ちょっと皆さん想像してみてください。この扉が例えば「両開き」だったとしたら、中央に壁が出来た後はどうでしょう。そもそも扉が開かなくなりますし、開くようにつくっても、壁と遠い側にヒンジ(丁番)がくるので、とても使いにくい収納になりますよね。

 

でも、引違い戸だと、壁から遠い側に手掛かりがあり、壁の方へ引いていくので、全く使い勝手は変わりません。廊下になる側も同じことですね。考えてみれば、とても便利です。

 

また、この新しい子供部屋の入口に付ける引戸は、この寝間の入口の引戸をそのまま流用します。寝間入口は廊下になって、戸が要らないからです。それって、引戸だと簡単に移せますが、ドアだと丁番を留めるビスの跡が残るし、枠だけ残るのが変な感じになる筈。

 

このように、引戸というのはかなり使い方の変更や位置の変更などに融通の効く、優れた装置なんですね。常々その自由自在なところが素晴らしいと思っていて、ですからKJWORKSの木の家の建具は、ほとんどが引戸です。

 

このブログで何度か書いたことですが、「引戸は開いているもの、ドアは閉まっているもの」という言葉があります。開けっ放しにしても邪魔にならず、風通しや空間の「抜け」をつくってくれる引戸は、やはり日本の家には最も向いている建具なのでしょう。

 

当初の想定と違った方法で進めるこのプチリフォームも、その実現にはこうした引戸の自在性が大きく貢献しています。今回つくる子供部屋も、いつかまた不要になって、ご夫妻のための部屋に戻るかもしれない。でもその時もまた、今回の建具はきっとその変化に追随してくれることでしょう。


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