香りのかべ

2016-03-20

〈写真にはうつらないのが残念なほど芳しい香りの、素敵な間仕切り壁が出来ました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日はまた、三田市でおこなわれているプチリフォームの現場へ進捗確認にいってきました。ここ何日か行けてなかったのでチェックをしておきたいのと、お客さまともお話があって。

 

この15日に「自在に引戸」と題してこのブログに書いたのは、今回のリフォームで新しくつくられる壁のことでした。その時にはまだ下地だけでしたが、その後仕上げも完了。今日はこれを見に来たんです。

 

冒頭の写真がその様子。新しく子供部屋を仕切るこの壁を、今回は塗装や左官で仕上げるのではなく、板張りにしてみたんです。それも、節のない桧の板を使って。

 

仕切ることで子供部屋と廊下にわかれたこの「元寝間」は、床がラオス松というちょっと珍しい木、壁は珪藻土で、天井は赤松の板。床も天井も、全く節のない板が使われていました。

 

私自身は節のあるなしはあまり気になりませんが、既存の仕上げに合わせにいく、というのがリフォームの基本ですので、節のない板張りでいこう、と。でも、材種は天井とも床とも違う木でいこう、そう考えました。

 

そして、元収納部屋だったもうひとつの子供部屋の壁には、ヒバの板が張られていましたので、それとも違う木でいくことにして、私なりに考えた末、桧の板をご提案したというわけです。

 

今日、「こんにちは」と玄関から入らせていただいて、もうその時点で桧の香りが少し感じられ、これには私もびっくり。そしてこの壁の前に立つと、その香りはさらに強く、なんとも言えない芳しさです。奥さまからも「これにしてよかったわあ」とのお言葉をいただきました。

 

わざわざ今回、この家のどこにも使われていない桧をもってきたのは、実は私なりの理由がありました。子供部屋をつくるリフォームであるということで、つくり手としてこの家の子どもたちに伝えたい、という理由が。

 

伝えたいことのひとつは「木にも色々ある」ということ。色合い、手触り、硬さ、節の具合、自分の家の中でいろんな木を体感できていた子どもたちに、「桧」というまた違う木のことを知ってもらって、今まで自分にとって「あたり前」だった木の家のことにもっと興味をもってほしい。そう思いました。

 

そして、この香り。新しい桧の香り、15年経ったヒバの香り、松の香り。木とはそうした香りをもって家の空気を心地よくしてくれる「生きている建材」だということも、改めて自分の感覚で味わってもらいたかったんです。

 

いやあ、私が目論んだ以上に素晴らしい香りの壁が出来て、お客さまにも喜んでいただけて何より。とてもいい気分で現場を後にしました。子どもたちには今日は会えなかったので、また今度、感想を聞いてみようと思っています。


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