ハコと街並み

2016-03-24

〈街の中で存在感を放つハコたち。その場所選びが大事だなあ、と思います。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。今日はちょっと辛口のお話を。

 

今朝、Facebookのニュースフィードを見ていたら、ある方の投稿で、「ピクチャン」という証明写真のサービスが採り上げられていました。これは、スマホで自分の写真を撮り、それを証明写真としてコンビニで出力できる、というものです。

 

今は皆スマホをもっていますし、名前はともかく、値段も安くて便利なサービスですね。でもこの投稿を見て私が思ったのは、こう。「これがもっと普及して、あのハコが減るといいなあ」でした。

 

あのハコとは、街のあちこちにある、証明写真を撮るためのブースのこと。私は昔、商店街にあるカメラ屋さんで証明写真を撮ってもらっていた世代なんですが、それがいつしかあの忌まわしいハコに変わっている。

 

あえて忌まわしいと書いたのは、大きく景観を乱すもの、と思っているからです。もっと減ってほしい。あれを商売にしている方には申し訳ないですが、家づくりを通じて街をつくっていると自負している私には、耐えられない存在感なので。

 

そしてその投稿記事から、常に思っていること、自動販売機と景観、ということにもまた想いが及びました。あれも日本特有の景観なのでしょうか。全てなくしてほしい、とは言いませんが、場所を選んで置いてほしいなあ、と切に願うものです。

 

冒頭の写真は、伊勢のおはらい町のお店です。この町には厳しい建築規制があって、こういう歴史的木造建築の意匠でしか建てられないというエリア。この薬局もいい雰囲気ですね。でも、その前にこのハコがある。

 

私はこちらのお店に意見したいのではありません。そんな資格はありませんが、でもこの箱ひとつで、せっかく規制をかけて守っているこのおはらい町の景観がかなり損なわれていると私は感じるし、皆にそうした感覚をもってほしいなあ、と思うんです。

 

今や、世界遺産の街並みにもこの「自動販売機」というハコは並んでいます。これは飛騨高山です。

2016-03-24-02

 

そしてこれは、石見銀山。

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どちらも上手にカモフラージュというか、お化粧してありますね。とてもよく出来ています。でも、いやいや違うでしょ、そういう考え方そのものがずれているのでは?と強く感じる次第。

 

古い街並みを今に遺そうとしているのに、そこに超現代的なハコがあたり前のように置かれている。その矛盾をこそ、もっと意識するべきではないでしょうか。私は今回採り上げた写真を見ていると、悲しくなります。

 

また、街が新しいからいい、というものでもないでしょう。あの、不夜城のごとく光っているハコたちはまた、冷蔵庫が街なかにいっぱい置いてあるということでもあります。証明写真ブースもふくめ、エネルギー消費の観点からしても、私には疑問ですね。

 

だんだん興奮してきて、きつい意見でのお目汚し、申し訳ありません。しかし、お店という建物は先述のようなルールで整えることが出来ますが、この自動販売機というものは、まだまだ野放しになっているのが現実でしょう。実際みんな目が慣れてしまって、自販機のある風景をなんとも思わなくなっているのではないでしょうか。

 

もう一度書きますが、私は家づくりを通じて街をつくっていると信じています。私の主張から皆さんの目線が少し変わることになれば、そして、あたり前のようにハコを求める日本人の消費行動そのものにも少し思いを馳せていただければ、とても嬉しいです。


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