動きに沿うまど

20160325-161433

〈現場を確認し、職人さん方と話し合う時間。ものづくりの楽しみの一つです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は宝塚で進んでいる木の家づくりの現場へ、進捗確認に行ってきました。やはり時々はこうして現場へ行き、大工さんをはじめ職人さん方と話して、そこからのフィードバックをいただきたいと思っていますので。

 

大工さんによる木工事はだいぶ進んでいて、階段も付いていました。このお宅の階段はいわゆる「U字形」、中間まで上がって踊り場で反転し、残りを上がるかたちですね。

 

冒頭の写真は上がりきったところから撮っているのですが、この形だと特に、階段部分は吹抜けとしてのイメージが強くなりますね。そしてそんな階段吹抜けに私がご提案した窓も、写真のように出来てきていました。

 

縦に三つ、連なった窓です。ちょっと変わっていますでしょう?でも私としては、間取りと立面を考えながら色んな意味を込めたつもりの、とても想い入れある窓なんですよ。

 

この階段吹抜けは間取りの北側にあるので、少しでも明るくということがひとつ。でもそれだけではなくて、階段吹抜けと単なる吹抜けとの違いである「そこで人が上下に動いている」という、その縦の動きに沿って窓が並んでいる、というデザインなんです。

 

そしてさらに、階段の踊場から操作できる高さの窓は、1階と2階のちょうど中間くらいの高さになって、どちらへも風を導くことができます。立体的な風の動きをつくるという、もうひとつ大事な役目があるんですね。

 

そして、このお宅は北側に道路があって、この三連窓のある側が建物の正面になります。その正面の立面に、このちょっと変わった並びの窓がアクセントとして効いてくる、というのも私の目論見でした。

 

そんな自分なりに想い入れのある窓が、とても心地いい感じに出来上がってくると、やはり何とも言えず嬉しいものです。その感覚を確かめるように、今日は何度も階段を上がり下りしてしまいました。いいねえ、なんてつぶやきながら。

 

間取りを考えるとき、どこにどのように窓が開いているかは非常に重要で、空間のとり方と切り離せない、一緒に考えるべきものです。窓は、家の中と外とをつなぐ建築の「孔」であり、それによって内部空間に何を取り込むか、あるいは何を排除するかが決まる大切なパーツです。

 

さらにこうして、人の動き、風の動き、光の動きを考え、それに沿って効果を発揮する窓というのも実現可能だし、それは是非そうしたいものですよね。家とは、そうした「動くもの」たちの中に存在しているのですから。

 

家はオブジェではなく、単なる箱でもありません。それ自身はあまり動かないけれども、その周囲で動いている外界との関係をもち、その中で動いている家族の心地よさを実現する「孔のあいた器」。そのかたちと孔のあき方が動くものに寄り添う時、家は活き活きとする。

 

私はいつも、そんな風に考えているんです。


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