敷地をまどる

2016-04-05

〈間取り屋の最初の志事であるお宅、だいぶ出来てきた現場へご一緒しました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

先週末のことになりますが、南芦屋浜の現場へ、お客さまとご一緒してきました。このお宅は私の「間取り屋」としての最初の志事で、KJWORKSではなく、ハウスメーカーさんの手による住宅です。

 

私は「間取りのセカンド・オピニオン」としてご依頼を受け、敷地を見せていただいて、ご要望をお聞きし、私ならこうする、というプランを提案しました。そのあたりのことは、このブログにも「はじめの分岐点」として書かせていただいております。

 

私のご提案によって、ご自分の「こうしたい」がはっきりと形になって見えた、お客さま。そこからハウスメーカーさんとやりとりを重ねられ、当初出ていたプランは大きく変貌し、私の絵にほぼ近い形で建てられることになりました。

 

まさにセカンド・オピニオンとしての役割をきちんと果たせたことで、私にとっても非常に想い入れの深い間取りです。その家の現場、足場が外れ、階段も付いたということで、わくわくしながら見せていただいた次第。

 

冒頭の写真は、2階に上がったところの窓から北側を望んだところ。前が車道、そして遊歩道があって、北側がぽかっと抜けている土地なんですね。その向こうに山が見えて、とても気持ちがいい。風通しも良さそうですよ。

 

このような、土地のもっているポテンシャルをうまく建物に活かすこと。そのために建物は敷地のどこにあって、どこが駐車場で、どこが庭で、というような「土地利用計画」は非常に大事だし、それが家づくりの第一歩だとも言えます。

 

そしてそれは、家そのものの間取りとは不可分のワンセットとして、一緒に考えられなければなりません。こうした土地利用の検討の仕方のことを、私たちは「敷地を間取る(まどる)」なんて言い方で表現したりします。

 

最初にこの土地を見させていただいた時、先に出来ていたプランそのものについても「?」と思いましたが、なによりこの土地利用計画、「敷地を間取る」ことがうまく出来ていないと感じました。

 

もしあの時私が見せてもらったプランのままに家ができていたら、この眺めも、そして西側に抜ける眺めも、こんな風にはなっていなかったんだなあ。そう思うとなおさら感慨深いし、セカンド・オピニオンとしてご指名いただけて本当によかったと感じますね。

 

敷地を間取るその根拠、建物を間取るその根拠とはつねに、自分がどんな暮らしを心地いいと感じるか、だと思います。そして、日本という国、その家が建つ土地の気候風土をどう想定しているか、ということも。

 

自慢めいて申し訳ありませんが、そこには経験とそこからのフィードバックも大きい。その点では、300軒以上という間取りづくりの実績は、私にとってかけがえのない「智慧」という財産です。

 

その智慧をもっと多方面に活かすことを目指した「間取り屋」稼業。その初めてのお客さまの暮らしを、良い方向に導くお手伝いができたことの喜びはひとしおです。この心地良く抜ける眺望を楽しみながら、それを肌で感じていた私だったのでした。


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