解き放つ家

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〈間取り屋の初志事のお宅へ、竣工お引越しお祝いに参上しました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は、めでたく竣工し、お引越しを終えられたお宅へ、お祝いに伺いました。この月初めに「敷地をまどる」と題してここに書いた、私が「間取り屋」として初めて志事をさせていただいたお宅です。

 

記念すべきその一棟目、私にとっても想い入れ深いこのお宅の竣工お祝いに、また自分でデザインしたエッチング入りワインボトルをプレゼント。冒頭の写真で、テーブルに載っかっているのがそれ。大きなナラ材のテーブル、いいですね。

 

この大きなテーブルと、ウェグナーのYチェア、そしてカラフルな子どもさんの椅子を見てわかるように、こちらのご家族はお子さんが4人の6人家族です。今日は新居の中、新しく始まった楽しい暮らしについて奥さまとお話していて、とても心に響くものがあったんです。

 

私が、家の配置計画と間取りとでご提案したのは、前回書いたように遠くの眺望へと抜けた開放的な間取り。そして階段を真ん中にぐるぐる回れる回遊動線が1、2階ともある間取りでした。

 

そんな家にご入居されて、以前おられたマンションとの違いを色々お聞きしました。なんといっても一番は、周囲のお宅と距離をとっているので、子どもたちが賑やかにぐるぐる走り回っていても、「静かにしなさい」を言わなくていい。そのストレスのなさ、だと。

 

なるほど、それは子どもたちも、親御さんもどちらもそうでしょうね。一戸建ての良さでもあり、かつそれが出来る家の配置、窓のとり方をしているので、マンションの時の、周囲を気にする「内向きな気持ち」が、一気に解き放たれたような気分を味わってらっしゃるのでしょう。

 

朝はやく目が覚めて、遠くの山を見て、「ああよかった」と思います、と言ってくださいました。「元々の間取りのままやったら、生活、どうなってたんやろ?」と思います、とも。

 

この敷地のポテンシャルである眺望を最大限とり込むことが出来たからこそ、清々しく抜けた外とのつながりが暮らしの一部になり、さらに開放的な心持ちになるのでしょうね。そして家が出来てみると、元々あったプランの家からは、周囲の家しか見えなかった、ということもわかる。

 

それを聞いて、私はこうお答えしました。「本当に、間取りは暮らしを変えるし、人の心もすごく変えるものですよね」と。これは家づくりをずっとやってきた中での、私の変わらぬ想いです。

 

家は、一生で一番の費用をかけて建てるもの。どうせそうなら、自分の理想の暮らしへと少しでも近づける家を建てたい。きっと皆さんそうお考えだと思いますが、しかしそれが、間取りの段階でそうなっているかは、プロでないお客さまには、まずわかりませんから。

 

それが出来るのは、単なる問題解決だけでない家。日々の暮らしの中で、妙に重くなった心、わだかまりを抱えた心、淀んでいた心、そんな心を解き放ってくれるような、すかっと気持ちのいい家。

 

その「気持ちよさ」には、敷地、間取り、素材などなど、色んな要素があるでしょう。でも私がつくりたいのは、要するにそんな「解き放つ家」なんだな。楽しく奥さまとお話していて、改めて気づかせてもらった気がした今日でした。

 

Uさま、竣工おめでとうございます。また、暮らしのお話きかせてくださいね。


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