時をまとって

2016-05-01

〈時間を経て味わいを深めた古道具たち、展示の空間ととても調和していました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

KJWORKS阪神「木の空間」の中央にある楡の木のテーブル。その上に吊られているペンダント照明は、芦屋にあるお店「flame」さんによるもの。このブログでもご紹介したことがありますが、照明器具と雑貨を扱ってらっしゃる、とても素敵なお店です。

 

そのflameさんで、年に一度、骨董の展示販売の企画があります。ちょうど今やっているそれは、「『尊いモノ』 Womb展」という名前。前から気になっていたので、ちょっと芦屋川を遡って、山芦屋町へと訪れました。

 

展示の主は、古道具店「Womb brocante(ウーム ブロカント)」さん。倉敷の児島というところにお店があって、店は元銀行という重厚な建物だとか。地元児島の工場や倉庫から出てくる、日本産の古道具のみを集めてらっしゃるそうです。

 

そのお店もとても気になりますが、まずは芦屋で見られるものを、ということで、冒頭の写真がその展示の様子。ずらりと並んだ古道具たち、器や木製品、竹や籐のもの、金物などなど、色々です。建築部材らしきものもありましたね。

 

どれも、歴史を経て味わいを深めたモノたち。懐かしいような、新鮮なような、今の製品にはないデザイン、かたちを愉しませてくれます。ゆっくりと時間をかけて、ひとつひとつ味わってきました。

 

展示空間にはflameさんの照明器具があちこちにあって、これがまた置かれている古道具たちと、よく似合っているんです。その調和、モノ同士の均衡がとても心地よくて、ああ、これがこの出張展示のもつ意味か、と感じました。

 

私は元々古いものが好きですが、骨董屋さん、古道具屋さんに足繁く通う、というほどではありません。というか、いわゆる「古美術商」さんはとても敷居が高いし、骨董市などは、あの賑わいが苦手です。でも、こういう雰囲気のある空間に古い道具が並んでいるのは、とてもいいですね。

 

いつものflameさんとはまた違った様子を愉しみ、展示されているモノたちと対話するようにじっくり拝見してきました。でもそれだけではなくて、「お持ち帰り」もあったんですよ。この器です。

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一枚だけぽつんと置いてあるこの皿を見て、もう一目惚れでした。店主の西原さんに「これはわりと新しいものですか?」と聞いたら、「いえ、けっこう古いですよ。とろっとしてますしね」とのお返事。

 

これ、大正期の伊万里産の皿だそうです。約100年前ですね。その「とろっとした」という西原さんの表現も、何となく伝わりました。正しいかどうかわかりませんが、かけられた釉薬のツヤが時を経てちょっと鈍くなっている、というか、味わい深くなっている感じ、かな。

 

形もほんの少しいびつなんです。茶色い点々もあるし、端正とは言い難い皿なんだけど、そこがとてもいいんですね。いい出会いが嬉しいですが、古道具にハマりそうな予感もして、ちょっと恐いです(笑)。

 

モノも、そして建物もそうですが、やはり永い時間を身に纏って、その存在感を増していくように思います。でも、元のモノにそれだけの意思が込められていなければ、時の重みには耐えられない。

 

flameさんが扱ってらっしゃるモノたちにも、きっとそういう想いがこもっていて、だからこそ古道具たちと調和するだけの力があるのだろうと思います。私自身の志事も常にそうでありたいし、その意味でとても得るものの多いひとときでした。

 

※ flameさんでの『尊いモノ』 Womb展は8日(日)まで。ご興味おありの方は、是非に。


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