積層の魅力

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〈KJWORKS本社「くらしの杜」に一番多くある椅子は、使い勝手と仕舞い勝手を共に考えたデザインです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

GW谷間の月曜日、今日はKJWORKS本社「くらしの杜」での会議の日でした。午後3時に本社について、そこから午後8時まで、みっちり。休みの前でもあり、しっかりと情報共有しておきませんとね。

 

会議をおこなっているのは、「多目的室」と呼んだりしている、くらしの杜で一番広い部屋です。ここは社内の会議のほか、落語会があったり、蕎麦打ちの会があったり、その名の通り色んな用途に使われています。

 

落語会の時などは70席ほど必要になるのですが、今日の会議では最大でも20席ほどしか使いません。そういう色んな用途で部屋を使い分ける時、意外とポイントになるのが「椅子の収納」です。

 

今日は会議を終えて帰ろうとした時に、その「収納状態の椅子」が眼に留まりました。それが冒頭の写真。部屋を最大限広く使うために「押入」状の収納はありませんから、見せておけるかたちで省スペースに納められていますね。

 

それを可能にしているのが「椅子を積むこと」、すなわちスタッキングです。これらは、「木の家具の街」旭川のフラグシップ企業、カンディハウスさんの製品で、『ラピス』という名の椅子。成型合板を使った、美しい曲線をもっています。

 

この写真だけで、ラピスが31脚も写っていますね。この状態で社内会議が出来ますから、多目的室には全部で50脚以上あることになります。わずか3つのパーツから作られるこのシンプルな美しさ、色んなインテリアに調和しそう。

 

「成型合板」というのを皆さんあまりご存じないかと思いますが、合板とはいわゆる「ベニヤ」です。木の薄板を積層させてつくる板ですが、成型合板というのは、重ねあわせてから「型」にセットし、圧力と熱を加えてその型に沿った形に成型した合板、という意味ですね。

 

このラピスも、シンプルな形状のようでいて、背もたれの部分などはなんとも微妙な曲面に成型されています。そしてその薄さゆえに弾力をもち、それが、人がもたれた時の心地よさにつながっている。

 

考えてみればこの光景は、「単板(たんぱん)」と呼ばれる薄い板を何枚も積層させた椅子が、また何脚も積層されているというわけですね。そのことを何だか面白いと感じ、またその積層された姿も美しいと感じて、シャッターを切ったのでした。

 

いわゆる金属脚のパイプ椅子では、絶対にこうはいきませんね。これはまさに、椅子の「見せる収納」とでも言いましょうか。そして数を集めることの面白さも感じられ、その質感で木の部屋にも調和している。

 

KJWORKS阪神の「木の空間」にもこのラピスが3脚あります。それを横並びにくっつけて置いても、なかなかいい感じ。でも、このように「数がたくさんある」ことでよりはっきりと意識できる、そんなデザインもあるんですね。

 

そしてまた、これらの椅子はここに10年あることで、その表面のカバの単板が何とも言えずいい色に焼けてきています。時を重ねた味わいをまた好ましく感じつつ、思えば「時間」を含めて3つの積層が、魅力としてここにあるんだなあ、なんて、そんなことを想っていた私でした。


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