青空のデッキ

2016-06-02

〈デッキの板の張替え工事。思わぬ美しさが今日は見られました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

一昨日からはじまっていた、築15年の木の家のデッキ張替え工事が、今日完了しました。本当は先週の予定だったのですが、雨で延期になっていたんです。今週は晴れ続きでよかった。

 

木の家には木製デッキ、あるいは2階であればバルコニーデッキを設けることが多いです。このお宅は西宮の高台にあって、すばらしい眺望が望める場所ですので、1階にも2階にもデッキがあるんです。

 

15年経ってだいぶ傷んできたデッキの板材。まだ全部は取替えなくてもいいかとも思われたのですが、お客さまのご希望により、1階の全ての板と2階の半分ほどをまとめて張り替えることになりました。

 

この木の家の外部の木部は、全て黒で統一されています。今回もそれに合わせ、信州からやってきた唐松材に塗装をほどこし、それから張っていく作業となりました。塗る前の板材はこんな感じです。

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唐松という木は、昔は土を堰き止める「矢板」に使われていたそうです。土木資材に用いられるほどに水に強い木、その秘密は「脂(ヤニ)」です。この信州唐松材は、ヤニがしっかりと残って、外部に用いるには適したもの。そしてその木の風合いもいいんですよ。

 

せっかく新しくするのだから、今度もしっかりと永持ちしてほしい。KJWORKSではいわゆる「ペンキ」、木目が潰れてしまうような塗料は使いません。木の風合いを活かした「染色」という感じの浸透性の塗料を使いますが、今回それも色々と塗装屋さんと相談して決定。

 

そして初日に既存の板材を撤去し、新しい板材を塗装。そしてあと二日間で新しい板の取付けです。板を撤去した時に、骨組みが傷んでいる部分も発見されたので、それも合わせて取り替えました。

 

そして今日、午後4時ごろに終盤の確認に現場へ訪れました。おお、綺麗に張れていますよ。塗装もケチらずみっちりと染み込ませてあって、まだ乾ききらずに濡れ色をしています。

 

そして、今日の冒頭の写真です。裏側にまわって写真を撮ったら、あ、空の青がまだ乾いてない板に映り込んでいる。連続する黒い板の面が、すこし青みがかったように見えているではありませんか。

 

なんともいえず美しいその色合いを、しばらく眺めていました。おそらく黒の塗料でないと、こうはならないでしょう。そして、塗料が乾ききってしまっても、空の青はここまでは映り込まないでしょう。

 

ものづくりの現場には、時々こういうことが起こります。今日、このタイミングでしか見られない美しさが、淡々と進む現場作業の中にほんのわずかの間だけ、垣間見えることがあるんです。

 

唐松板が無造作に積み上げられている先の光景も、その時だけの美しさをもっていました。そして、乾ききらない黒い板が魅せてくれた、青い空とのコラボレーションも。

 

ものづくりをしている人間は、そういうタイミングに恵まれているという意識をもっていないといけない、そう想います。ものづくりの最中にふっと現れる美しさ、それを感じ取るアンテナをもっているべきだと。

 

今日は私もそれを感じ取ることができました。現場で生まれている小さな美を感受し、それをお客さまと分かち合うこと。それもまた、ものづくりの歓びに他なりませんね。


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