間取りクッキング

20160219-203925

〈形が変われば食感も変わる。ものづくりに共通する話に思えるんです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は久しぶりに、夕方までみっちりとプランニングの時間でした。家づくりで言うプランニングとは、間取りづくりのことです。業界用語では「基本設計」とも言いますね。

 

新しく家づくりの提案をご依頼いただいた2軒のお家、それぞれに敷地も住まい手さんも違っていますが、今日は夕方まで特に予定がなく、リラックスした気分で、「どんな家がいいかな~?」と考える時間でした。

 

2軒並行で間取りを考えると、それぞれの違いがよりくっきりと浮き彫りになって、ひとつだけ考えている時とはまた違うアイデアが出てくるような気がします。無論もっと煮詰まる時はそれぞれに集中するのですが、今日はまだ初期段階なので。

 

そして、こういうことをする時に私がいつも想うことがあります。それは、「建築って、料理みたいやな」ということです。以前にもここで書いたことがあるような気がしますが、でも今日もやっぱりそう思ったので、続けますね(笑)。

 

建築業界にこういう言葉があります。「建築とは凍れる音楽である」と。これは建築を芸術としてみた時、絵画や彫刻などと少し違って、その空間を認識するのに「時間」というファクターが大きく関係することからの比喩ではないかと思います。

 

なんやえらい気取った話で、「時間芸術」という面はわかりますが、私などは諸手を挙げて賛同は致しかねます。それよりも、私が日々やっているものづくりは、どっちかというと料理みたいなもの、そう思うんです。

 

そこで、今日の冒頭の写真は、あるパスタの料理。この2月だったか、ある「イタリアンをご一緒に」の会に参加して、皆さんと堪能させていただいたショートパスタで、名前は「コルツェッティ (伊: Corzetti )」。独特の触感が何とも言えず美味しかったんですよ。

 

ペンネやファルファッレくらいは日々の「事務所ごはん」でも使ったりしていますが、こんな丸くて平べったいパスタは初めて食べました。直径5、6センチくらいで、硬貨のように模様が入っているのが面白い。専用の木製スタンプで、本場ではその家の家紋などが入れられるそうです。

 

このように、同じ小麦粉や卵という原料でつくっても、多種多様なパスタが出来上がる。そしてそれは「食感」という感覚の違いをもって、味わう人にその独自のものを届けてくれます。これ、同じ家でも多種多様な住み心地のものがあるのと、一脈通じていると思いませんか?

 

そして料理には「季節」が採り入れられることが大事。その時々に美味しいものを使って、出来ればその具材の味を大切にして。そんな料理が美味しいですよね。これも、私には暮らしやすい木の家のことと同じように思えるんです。

 

季節ごとの良さを暮らしに採り入れ、そしてその敷地の周辺環境をうまく活かして。無垢の木という「本物」を使って、そのもち味を殺さないように、でもお客さまの好みに寄り添った味わいに。

 

私も少し料理を嗜みますが、そちらのものづくりを経験すればするほど、木の家づくりは料理みたい、ということを本当に感じますね。家は芸術なんかじゃないよ、暮らしの器だよ、と。そしてそこに「食」が大きな位置を占めていることとも、それは繋がっていると想います。

 

今日もそういう意味で、その敷地とその環境、お客さまの想像されるライフスタイルを、ひとつの間取りへとまとめあげていく、クッキングの時間でした。そしてそんな風に喩えて考えると、また違った愉しさがあったりするのですね。


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