未来に応じて

2016-06-10

〈木の家の一年点検で、設計の時にご説明した未来のこと、想い出していました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は、高槻に建つ木の家へ、設計スタッフの平野とともに、一年点検におうかがいしてきました。正直言って、もう一年過ぎたのか、という感じですね。久しぶりにお客さまとも色々お話を。

 

こちらの住まい手さんご夫妻には、昨年末、クリスマスに第一子のご子息がお生まれになりました。この2月にお邪魔した時より、ずいぶん大きくなっていてびっくり。生後半年の彼とも、しばらく遊んでもらいましたよ。

 

この木の家をつくっている時には、まだご夫妻お二人だけ。でも私たちがつくる木の家は、できるだけ永く住んでいただくことがまず第一義と考えていますから、将来に起こる可能性のある暮らしぶりの変化に合わせる、ということも間取りに組み込んでいます。

 

冒頭の写真は、2階のその場所。青く塗られた壁にそって階段で上がってきたら、正面に窓があり、下がカウンター状の本棚。左に曲がったところが、当面は部屋になっていないフリースペース。

 

そして撮影した私が立っているところへは、そのフリースペースを通って来ることもできますし、右側の青い壁の中にある納戸(ウォークインクロゼット)を通っても、来ることができるんですよ。2WAYのルートということですね。

 

それには理由があります。このフリースペースを将来的にお子さんのスペースなどとして間仕切る時に、階段の上がりきりからこちらに向かってくる廊下を一皮残して部屋にするというパターンと、その廊下部分まで取り込んで部屋を広くするパターン、両方出来るように、です。

 

階段を上がりきったところからこちらに向かってくる手摺、ここが壁になると、部屋は広くなります。もしも将来そこまで必要になってもいいように、青い壁の中のウォークインの方にもこちらに来ることが出来るルートを設けた、というわけ。

 

また、正面の窓も、その真ん中に壁が来てもいいように、横長の大きな引違いでなく、わざわざ窓を2つに分けています。壁ができたら、階段の窓と部屋の中の窓、別々になるように。本棚も合わせて仕切ることも、問題ありません。

 

さらに、窓の左側にちらっとハシゴが見えていますね。この白い天井の上は、ロフトになっています。さほど広くはありませんが、フリースペースを部屋に仕切った時、その一部となって活用法が広がるはずです。

 

今日、この場所で写真を取りながら、このフリースペースの仕切り方のバリエーションについてご夫妻ににお話した時のことを、思い出していました。「2階はプライベートだけなんだから、納戸の中を通り抜けるでも、いいじゃないですか」って言ったんだったなあ、確か。

 

その時はきっと、家族が増えるということに、ご夫妻も漠然としたイメージしかなかったと思います。でも、そこから一年で、もう一人の家族が生まれた。今はあの話を、きっと当時よりもリアリティをもって感じていただけているんじゃないかな、今日はそんなことを思った次第。

 

私自身は、ずっと間取りをつくる志事をしていることもあって、木の家ならば、将来暮らしぶりがどう変わっても、どうにでも住める。そう思っています。どうにでも「いじる」ことが出来る、木の家にはそうした懐の大きさがありますから。

 

でも、これから起こるであろう未来に応じて、間取りにバリエーションが組み込まれていることを知っていて住む、というのは、建築のプロでない住まい手さんには大切なことですね。将来にわたって安心して暮らす、ということが。

 

いま、この家の住まい手は3人。そうした融通無碍な空間をもった木の家の、その伸びやかさを呼吸して、ご子息もきっと、すこやかに大きくなっていってくれることでしょう。


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