対比のききめ

2016-06-11

〈外構工事で張られた大きなタイル。少ししかないが故により際立つものもあります。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は朝から、外構工事をおこなっている現場へ。私がお客さまにご提案した、タイル張りの部分が出来上がる、ということで、その確認に。

 

冒頭の写真がその様子です。既に何年も住まわれたお宅の、外構部分の仕様を変えるという工事なんです。元はこの場所は広いデッキだったのですが、今回はモルタルの土間にして、L型に「濡れ縁」を回そうということになっています。

 

濡れ縁はこれから作るのでまだありませんが、このように場所のあり方を変えるというご希望があったのは、ここでBBQをするのに、やはり一段高いデッキの上より庭と続いた地面の高さがいい、という理由から。

 

なるほど、それなら土間にして、中心にBBQの火がくるようにして、それをL型に濡れ縁で囲えば、それが椅子代わりになってちょうどいいですね。そんなお話になりました。

 

でも、その土間が全てコンクリートの色の仕上げだと味気ない。でも全部をタイル張りにするほどにコストを掛ける必要も感じない、というお話で、それなら中央部にタイルを埋め込む形では?となったんです。

 

タイルを埋め込む、と言っても、そのデザインは色々あり得ます。でもちまちました小さいタイルよりも、エリアが限られている分、大きなタイルの方がいい、と感じました。

 

そんなことで、冒頭の写真のような張り分けのかたちになったというわけです。これは60✕30cmの大きなタイルを12枚使って、あえて目地を市松に配したデザインですね。

 

写真では見えないのが残念ですが、一枚一枚に微妙な色ムラ、微妙なテクスチュアと模様があって、とても風合いの良いタイル。モルタルとの色のコントラストも考慮し、サンプルを並べてみて、決めました。

 

思うに、このタイルで全体を覆ってしまっていたら、こういう感じにはならなかったでしょう。そもそも、そんな大きなタイルでは、全体の「割り付け」がうまくいかず、かえって美観を損ねるかもしれません。

 

私もあまりこういうタイルの使い方はしたことがありませんでしたが、うん、これはなかなかいい方法だぞ。何より、この大きなタイルの味わいが、コントラスト効果によってさらに鮮やかに感じられるのが愉しい。

 

どんなものでもそうですが、同じものがずっと続くと、いくら良いものでもその良さが薄れてくる、ということがありますよね。でもこうしたワンポイントとして使うと、それがかえって活きるということがあるし、そういう使い方だからこそ使える素材もある。

 

久しくこういうモノの使い方をしていなかったかも。そんな気がしました。ワンポイントで使ったモノとの対比の効果で、全体がレベルアップする、そんなモノの活かし方を。この事例は、お客さまからも「提案力だね」とのお言葉をいただきました。

 

これは外構に限らず、ものづくり全般に言えることでもあると感じます。いくつもの素材が現れてくる場合に、それぞれのモノのあり方、その扱いの違いをどう魅せるか。どうすればそれらのモノの良さが無駄なく伝わるのか。

 

そうしたことをモノから感じ取り、それぞれの場合に応じて、「連続」の効果、「対比」の効果、あるいは「装飾」の効果など、色んな効果をイメージでき、それをお客さまに伝えられる人でありたいもの。

 

ただモルタルにタイルを埋め込んだだけ、と言っても、単なる惰性に終わらない、そうした想いの裏付けがある志事をしたい、そんなことを今日は感じていました。


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