つくってみる不思議

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〈それだけ見ても何だかわからないハコ。でも、図面を描いた私にはとても面白い試作品なのです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日はなんだか、ちょっと荒削りな感じのハコの写真が登場しました。これは、今おこなっている「ものづくり」の試作。正確には、試作の前の試作という感じのモノですね。

 

ひと月ほど前、このブログに「ものづくり・おもてなし」と題して書いたのでしたが、熊田さん・中村さんの「おうちオフィスコンビ(?)」のお二人と一緒に、私の事務所にある「上げ底ダストボックス」の商品化を進めています。

 

先月は3人で意見出しの打合せをして、そこから私の方でまず叩き台の図面を描き、そしてつくり手の方にも芦屋の私の事務所に来ていただいて、プロトタイプの見学と、図面の説明をさせていただいたのでした。

 

そのつくり手は、私のお仲間であるJqualia松下さん、収納の巣の宇野さんが先行して「ものづくり」で組んでおられた、広島は府中のハコモノ家具屋さん、若葉家具さんです。

 

井上社長みずからお越しくださって、阪神地区のママお二人と出しあった希望をまとめた図面を前に、打合せをしました。それは、「なにでつくるか(素材)」、「どうつくるか(技術)」、「どんなみせかたにするか(デザイン、寸法)」という点の模索でした。

 

それは、私が「こうしたい」と思う部分と、常にハコモノをつくっている制作サイドとしての「こうしたほうがいい」をすり合わせ、無理なく、かつコストアップにならないかたちでのつくり方へと着地するためのもの、だと言えるでしょう。

 

そして、その時に「こうしたらよさそうだ」と見えたこと、あるいは「社にもちかえって職人と話してみます」となったことも含めて、井上さんが戻ってから考え、まず一度「かたち」にしてみよう、ということでつくってくださったのが、このラフな試作第1号です。

 

この写真だけでは、「底板のない囲い」だけですので、どこが上げ底の配線隠しが出来るボックスなのか、さっぱりわかりませんね。でも、こういうモノをつくろうとしています。

 

前回も書きましたが、私の事務所にあるものは、単に私のニーズに合わせてつくったもの。でも今回は、中村さん熊田さん、そして色んな方のニーズに合わせたい。そこで考えたのが「ハコを組み合せる」だったんですね。

 

ハコというよりカコイが2種類。そしてフタ兼タナとなる板。これらを組み合せるやりかたによって、上げ底の高さも、そしてどこから配線を入れて出すかも、自由になる。そんなフレキシブルなハコをつくろう、というのがその狙い。

 

そのハコとハコを組む部分の形をどうするか、ずれないで組めて、上下も自由になるにはどうするか、そうした検討の答えが、この試作バコに表れています。その部分のつくりかたがイコールこのハコのデザインになっている。

 

おそらく井上社長も、まず実際に軽くつくってみることで、寸法とイメージを確認しようと考えられたに違いありません。そして「こんな感じになりますよ」というメッセージのおつもりで私に写真をお送り下さったのでしょう。

 

うん、素材や精度は最終形とは違って荒削りですが、でもとてもよくわかる。やはり図面では見えないものが、実際のかたちになると、よくわかる。こうしてやってみてくれる、誠意あるつくり手と組んだ「ものづくり」は、とても愉しいですね。

 

特に私は、普段「まずつくってみる」が出来ない規模の「建築」というものづくりをやっています。ですから、このように実際の寸法でつくってみて考える、ということ自体がとても新鮮。なんだか、ちょっと不思議な感覚すらおぼえるくらいです。

 

プロダクトと建築の違いって、こういうところにもあるんだなあ、なんて、あたり前のことに妙に感心したりして。そんな建築屋にとっての不思議を味わいつつ、さらにここからどう工夫するかを考える日々、これがまた愉しい。

 

うん、つくり方に違いはあっても、モノをつくることの妙味は変わらない、ということなのでしょうね、きっと。


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