手しごとの極み

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〈北海道2日目以降は本来の目的、旭川で家具の学びが目白押しでした。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日も北海道遠足の回想録です。昨日は彫刻公園のことを書きましたが、今回の本来の目的は「旭川デザインウィーク(ADW)」に参加することでした。木の家具の街、ものづくりの街である旭川で、毎年この時期におこなわれる一大イベントです。

 

メイン会場である「旭川家具センター」では、木の家具や小物のメーカーさんがブース出展され、これに向けて新作家具を並べておられるところも多く、それを見比べて歩くのも、とても楽しい時間。

 

でも、それよりさらに面白いのは、メーカーさんへ直接おじゃまして、並んだ家具たちとともに、そのつくられる工程を見学できること。ADWの期間は「ファクトリーツアー」と称して、そうした「ものづくりの場」を見せてくださるつくり手さんも多いんです。

 

私も同じくつくり手の人間ですが、建築のつくられ方とは方法も技術も精度も違う、木の家具ができていくその様子を見るのはとても愉しく、勉強になります。今回はファクトリーツアーを3社で見てきましたので、家具の写真と併せてご紹介しましょう。

 

まずは旭川家具のフラグシップ企業と言える「カンディハウス」さん。冒頭の写真もその広いショップ内のいちコーナーですね。

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やはりカンディさん、と思えるリッチなテイストです。

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一部こうした新しい発想の「張りもの」家具もあって面白い。

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カンディさんのファクトリーツアーは写真撮影がダメだったので、ショップにあったこの「ルントオム」という椅子の展示を。工場内部でも、このルントオムのパーツがつくられる様子が見られました。

そして次に、私も初めて行った「TIME&STYLE」さん。

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なんと美しい「シュッとした」ハコでしょうか。木の塊みたい。角は手が切れそう。

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こういう金属の家具や照明も扱っておられます。

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裏面も表と全く同様に、とことん仕上げておられました。

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工場の床も、職人さん方が疲れないよう無垢の木の床でした。

そして最後は、素晴らしい環境の中に社屋と工場をもっておられる「匠工芸」さん。

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新シリーズ「Yamanami」の展示です。

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これが私の大好きな「WEAVE(ウィーブ)」シリーズ。このロッキングチェアがたまらんのです(笑)。

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工場の廻りは森。緑と木の家具、とても映えて美しいですね。

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こちらの工場では鉋やノミなどの「刃物」が上手に使われている印象でした。

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ここはビスやダボなどの金物がずらりと納められた部屋。

 

今回同行のお二人とも話していたことですが、一般の方々にはこうした無垢の木の家具がどのようにつくられているか、あまり知られていないと思います。でもこの工場の写真からも見て取れるように、本当に手仕事の比率が高いんですよ。

 

ベルトコンベアーに乗って、機械が加工して、組み立てて、塗装して、というのとは全然違います。もちろん機械で出来る作業もありますが、最後は職人さんの手志事。それがあの高い精度の加工を生んでいるんですね。

 

一般的な風潮として、「手づくり」「手仕事」というと、いかにもそれっぽい、手の跡がよくわかる、悪く言えば荒っぽいヘタウマ系のイメージのものが思い浮かぶ、ということがあると思います。

 

もちろんそれも手仕事の良さのひとつで、いわゆる人間味のある感じを醸し出します。しかし一方で、上の写真のような凄まじいまでの精度でモノを生み出す「手仕事」もまたある。それがものづくりの街・旭川のすごさでしょう。

 

私のいる家づくりの世界でも、今はDIYがブームです。それもまた家づくりの愉しみ方のひとつであり、一方にいわゆる職人芸がある。ここは家具の世界と似通ったところがありますね。

 

「手仕事」とひとことで言っても、そのレベルは様々。しかしその最高峰のエリアは、レベルが非常に高いが故に、ふとしたことで失われやすいもの。どのつくり手さんも大切にするその「手仕事の極み」を、私たちユーザーも理解し、それを大切に想う気持ちをもっていたい、そう私は思うのです。

 

このADWにも久しぶりに参加しましたが、やはり人の手が美しいものをつくり出していくさまは、とても感動的です。誠実にモノと向き合うこと、改めて教えられたように感じた私でした。

 

最後にこれは、匠工芸さんに飾ってあった、家具職人だった桑原社長の道具。使い込まれた道具もまた、その美で人の心を打ちますね。

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