風土をふきこむ

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〈旅の終わりに訪れた工房には、それまでの3日間を凝縮したようなうつわが待っていました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

北海道遠足の回想録3回目は、最終日24日、そのいちばん最後に訪れたところをご紹介しましょう。「時間があれば行きましょうか」と松下さんが言っておられ、でも本当に行くことが出来てとても嬉しかった場所です。

 

昨年10月、「硝子のパートナー」と題してこのブログに書いたのですが、松下さんのお店「Jqualia」でおこなわれた「木・土・硝子の三人展」で私は硝子の片口を購入しました。その美しい姿に一目惚れして即決した片口、こんなものです。

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その時に知ったこの片口のつくり手が、西山亮さん。そして今回は、旭川から新千歳空港へと向かう途中で、西山さんの工房「glashaus」へ立ち寄り、見学させていただくことができたんです。

 

西山さんのうつわは「吹きガラス」という方法でつくられています。その独特の風情がとても美しく、あの味わい深いうつわはどんな場所でつくられているんだろうかと、色々と想像しながら長沼町の工房へと伺いました。

 

そうしたら思ったとおり、緑の美しい敷地に可愛らしく建つ建物でした。外観は撮りそこねましたが、工房の中もとても素敵で、西山さんと、そして同じく硝子作家の娘さん、雪さんの作品が、ともに並んでいましたよ。

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右側の棚が亮さん、左が雪さんの作品。親子の共通点と違いもまたおもしろい。

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ずらり並んだ作品群。あの美しさが写真に写らないのが悔しいくらい。

 

残念ながら今は、炉の火を落としたところ、ということでした。でも、やはり美しいモノがつくられている工房は、そこに居るだけで楽しい。冒頭の写真もそのワンシーン、無造作に置かれたうつわ達とそれをつくる場や設備との取合せの妙、とても好きな一枚です。

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こんな感じで西山さんから色々とお話を聞くことができました。

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こういうちょっとしたコーナーにも「ものづくり」のチカラを感じます。

 

glashausのHPを拝見すると、「制作のコンセプト」として、こう書かれています。「他の素材(陶器、磁器、木工、漆等)と違和感のない、日常に使えるガラスの器作りを目指しています」と。そして、「ガラスの色から自分で調合」とも。

 

確かに、とても微妙な色合いをもったうつわが多い。私の片口は透明ですが、きっと吹きガラス特有の肌合いとその微妙な色合いが相まって、西山作品の素敵な個性が生まれているのでしょうね。

 

そして、3日間の最後に訪れたこの工房で見る硝子のうつわ達からは、芦屋で見てもわからなかったことが強く伝わるようでした。それは、お天気に恵まれたこの北海道での時間に、私たち三人が感じてきた「いろ」そのもの、ということ。

 

雨のあとのアルテピアッツァの草の地面、その香り。そして周囲の緑濃い山々。旭川の朝の散歩で見た石狩川。美瑛の風景や匠工芸さんの廻りの樹々。どこにいても蒼い蒼い空。そして何よりも、この北の大地の清々しい空気のいろ。

 

澄みきっていて、なおかつ温かい西山さんの硝子のうつわには、そういうものが吹きこまれている。ご本人からそう聞いたわけではありませんが、彼の地でそれらを体感してきた私の眼には、そうとしか視えませんでした。

 

帰ってきて今、「木の空間」にある片口を眺めていると、今回の旅で私の五感が得たものが蘇るよう。天候に恵まれて、そして最初ではなく最後にこの硝子の工房を訪ねることが出来たことの幸運を、ただありがたく想う私です。

 

 

※今回、炉の火が落ちていたのが残念だったのは確かですが、でも実はglashausのHPには、「制作工程」の映像があるんです。まさに、私がもっている片口がつくられていくさま、皆さまも是非ご覧くださいませ。ものづくりの好きな方なら、もう感動間違いなしです。

 


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