木組みとインフラ

2016-07-02

〈梅雨の晴れ間に建て方工事。作業のしやすい敷地は安全性も高いのです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日は神戸の近代建築のことを書きましたが、その後は本来の業務、木の家づくりの現場へ向かいました。家づくり最大のイベントとも言える、建て方がおこなわれていたんです。

 

梅雨の時期、建て方の日程調整はなかなか難しいもの。現場管理担当者は常に天気予報とにらめっこです。今回も本来は29日の予定でしたが、ちょっとずらして昨日の工事となりました。

 

ずらした甲斐あって、とてもよいお天気。少々暑すぎるくらいですが、晴れてくれればよし、ですね。前回の西宮での建て方は見ることが出来なかったし、上棟を見るのはかなり久しぶりのような気がします。

 

冒頭の写真は、いま棟木が上がったところ。まさに上棟の瞬間です。これが午後4時くらい。基礎の上に土台が敷かれた状態から朝スタートして、約7時間で木組みはここまで到達。暑さで休憩をしっかり取りながらですから、なかなかいいペースですよ。

 

構造の状態の木の家の手前にある重機が、レッカー車(クレーン車)。この車が現場に来るのはこの一日だけです。効率よくこの大きな機械を使うことが大事で、その日組み上げる部材以外のモノも、なるべくレッカーで建物内に上げておきます。

 

そして、ここでもう一度写真をご覧ください。手前に一本、道向かいの電柱から引き込まれて空中を飛ぶ電線が見えますね。でも、あるのはそれだけで、この家の前には電線がありません。全て道路の向かい側を通っている。

 

これが実は、この建て方工事の効率とスピードに大きく影響します。ご想像がつくと思いますが、道の上に電線があると、レッカー車で材木や色んな資材を上げていく時、かなり注意が必要になるんですね。

 

それがないだけで、もう作業のやりやすいこと。運搬の邪魔になって気にしないといけない線がないと、効率と安全性、そのどちらもが大きく向上するというわけなんです。

 

この家づくり、今回は家だけでなく2台分の駐車場を増設しています。上に電線がないことから、その駐車場を先につくって、そこにレッカー車を入れて資材を上げる、という作業計画も可能になる。道路を塞いでご近隣に迷惑にならないのも、大きな利点と言えるでしょう。

 

さらに、電線が無いと、このように道路から見た建物の外観も、視線を遮らないのですっきりと見えますよね。そういった色んな意味でメリットがあるので、私たち工務店は一番最初に敷地を見るとき、まず電線と電柱をチェックするんですよ。

 

日本の街並みにおいて、ごくあたり前のように空中を飛んでいる電線。もう皆さんそれに慣れきっているのが現状ですが、しかし改めて考えてみると、あまり街の美観上望ましいものとは言えませんね。

 

美観だけでなく、実際の工事にも色んな点で影響してくるので、私たちつくり手はこうした電線や電柱、水道管やガス管など、街のインフラについて気にする眼、きちんと把握する姿勢をもっていなければなりません。

 

この敷地にも、最初に来た時「お、電線がないな」と喜んだことを思い出しながら、上棟の瞬間を見ていました。やはり柱や線に邪魔されずに見える木の家の骨組みは、さらに美しく感じられたことでした。

 

さあ、実は今から、棟が上がったこの木の家の上棟式へと出発です。お天気ももってくれて、めでたさもひとしおであります。


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