普通からの刺激

2016-07-12

〈たまに建築家さんの設計事例を体感するのも、よい学びがあるものです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は午後一番から、三田市にお住まいのお客さま宅へ、打合せに。「間取りのイメージ」のやりとりを楽しんでいるという段階で、だいぶ形になってきたのが嬉しい時間でした。

 

そしてその帰りに、近くにある「住宅展示場」へ立ち寄ってきました。住宅展示場と言っても、街中によくあるハウスメーカーさん主体のものではありません。KJWORKSと同じ町の工務店がつくった「木の家」がいくつも建ち並ぶ場所。

 

ここは、神戸市北区上津台。「里山住宅博」という、半年間という期間限定の住宅展示エリアで、そして展示期間後は実際に販売される予定の木の家が、いくつも建っているんです。あまり聞かない方式で、ちょっと面白いですね。

 

で、私が何故来たかというと、先に打合せをしていたお客さまを、次回ここへお連れしようと思ったからです。こういう、木の家がまとまって建っているところというのは滅多にありませんし、お客さまと家の外観や内装についての「イメージの共有」にいいな、そう考えた次第。

 

今日はその下見のつもりで。もちろん、個人的な興味もあり。平日には全ての家が内覧できるわけではなかったのですが、でも何軒かの家を見て回ってきました。今日の冒頭の写真は、その中の一軒です。

 

この家は、建築家・堀部安嗣氏の設計による家。私が「上手いなあ」と思う設計者の一人です。ただ、実作は見たことがない。その堀部さんがいつもの凝りに凝った家でなく、「普通の家」をつくったという話を聞いていたので、気になっていたのでした。

 

実際に体感してみて、確かに材料などは普通の家ですが、やはり手を掛けるところは掛けていました。写真のこの連続開口部が一番の見せ場のようです。向こうの里山に向けて開いたかたち、なかなか気持ちいいですね。

 

サッシの手前にあえて細めの柱を立てることで、サッシの姿を消す。それに加えて、天井や壁はすっきりとした白でも、この細い柱と横材のラインが十文字に見えていることで、「木の家」という感じも保たれている。そう感じました。

 

木製サッシを使っていて、その意味ではあまり普通でないかもしれませんが、こういうやり方は、アルミサッシや樹脂サッシでも出来ないことはない。うん、使う場所によっては面白い見せ方に出来そう。そう思って写真を一枚。

 

私たち工務店も、常によりよい品質、よりよいデザインへの努力をしています。しかし、数多くつくればつくるほど、どうしても「いつもの方法」に慣れ、ともすれば「惰性」へと落ちていく、そんな危険性は常に隣りにあると言っていいでしょう。

 

私たちが普通にもっている技術と手段を使って、でも普通から少し抜けだした「魅せ方」をつくる。今日のこの家は、そういう意味で刺激的でした。違った視点でつくられたものは、埋没しがちな「発見の歓び」を再び教えてくれる。そんなことを想います。

 

堀部さんの実作を初めて見たのがこの家でよかったなあ、なんて、変な感想をもちつつ、でも刺激をもらえたことには素直に感謝ですね。

 


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