過程にこそあるもの

2016-07-16

〈木工事が進む木の家。今を見ていただくために、何度もお客さまと足を運びます。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

ここのところ、他のつくり手による木の家のことを書いていますが、もちろんKJWORKSの木の家づくりも各地で着々と進んでおりますよ。今日は午後から、大工さんによる木工事真っ最中の吹田の現場へ行ってきました。

 

このお宅、先月12日にも「好機をまなびへ」と題してこのブログに書いています。同じ家づくりの現場を連続して見学することで、家づくりのプロセスと、出来上がったら見えなくなる部分の技術や仕様を学ぶ「お家の勉強会」を開催させていただいている木の家です。

 

実は明日が、その「お家の勉強会」の第2回、題して「木の家の骨組みを見る会」です。なので、私は明日もこの現場へ行って、明日ご参加のお客さま方に、間取り担当者としてのご説明をすることになります。

 

では、なぜ今日も現場へ行ったか。それは下見ではなくて、明日の勉強会にどうしても都合の悪いお客さまがおられたから。その方とお約束をして、明日の代わりに今日、個別に現場をご案内していたというわけなんですね。

 

実は先週の日曜日、10日にも同じようにこの現場へ、明日のご都合がどうしても合わないお客さまをご案内しました。このように日時をずらしてでも現場を見ていただく時間を、私たちは「補講」と呼んでいます。まあ、事前に補講というのは、ちょっと変ですが(笑)。

 

ちなみに前回の勉強会の際には、基礎のコンクリートを打設する前の鉄筋の状態でした。コンクリートを打つと見えなくなってしまう、その鉄筋の段階を見ていただくのが見学会の主旨でした。

 

同様に今回の「骨組み」の回にも、次の回にはもう見えなくなってしまうモノたちがあります。例えば、コンクリートの基礎と上部木構造をつなげる役割をする構造金物類。そして、「筋交い」よりも強固に建物の耐震性能を確保してくれる構造用面材「MOISS」などです。

 

それは、今このタイミングでしか見られない。次回9月初頭の「木の家の断熱を見る会」までには、その壁や天井に吹き込まれる「セルローズファイバー」という断熱材によって隠れてしまいます。

 

ですから、例えば「ホールダウン金物」という基礎と柱をつなぐゴッツい構造金物が、地震などで揺れた際には家のあちこちで踏ん張ってくれること、そしてMOISSという優れた耐力面材が、強度をもちつつ壁体内の結露防止に役立つものであること、そういう説明をそのモノを見ながらすることは、今しか出来ない。

 

私はそのことをよくわかっていて、なおかつ建物の基本性能を担うそうした部分の説明がお客さまに大いに役立つと思っています。ですから、勉強会当日のご都合が悪い方々には、「それなら補講を」とご提案してでも、見ていただきたいんですね。

 

先週末と今日を使って、今回の勉強会にお申し込みいただきながら明日に来られない方へのご説明は完了。明日は参加が可能な私のお客さま2組さまに、同じご説明をして、これで全ての方を網羅できますね、よしよし。

 

ちなみに冒頭の写真は、この木の家の屋根、棟の部分を下から見上げたところ。左の方には1階から聳え立った太い大黒柱。そして奥の方をよく見ると、先日の上棟式で使った「御幣」が棟木にくくりつけられていますよ。

 

御幣を棟木にくくりつけたりして「小屋裏」に仕舞いこむのは、昔からの日本家屋のやり方です。上棟の日付が書いてあるので、記念にもなり、後世への記録にもなる。そしてこの御幣の様子も、断熱材が吹き込まれると、同じく2階からは見えなくなる。今日見られてよかった。

 

木の家は、たくさんの職人さんの手によって、半年近くの時間をかけてつくられます。ひとつひとつ順番に、「工程」というプロセスを重ねてつくられていくその姿は、きちんとした意義をもつつくり方であるなら、その過程もやはりまた美しい。私はそう想うんです。

 

現場というのは「途中」ですからゴチャゴチャとしがちです。でもその過程にこそ潜む、つくられていくものならではの佳さがある。何度も同じ現場へお客さまをご案内したくなるのも、そういうものを見てほしい、という気持ちが私にあるからかもしれませんね。


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