型にいれる風

160724-130835

『洛西の家』   設計・監理:今村建築計画事務所   施工:㈱松彦建設工業

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は、京都で同じく木の家づくりを営む仲間のところへ、見学会にお邪魔してきました。冒頭に掲げた「洛西の家」です。そして仲間というのは、松彦建設工業の松本さん。一昨年の秋に「京都サロン」へお伺いして以来、久しぶりの再会でした。

 

Facebookや松彦さんのHPではいつも、そのご活躍ぶりを拝見していたんです。そして今回、とても気になる木の家が登場し、見学会があるという。ちょうど予定もないし、早速「行ってもいい?」と連絡してお伺いした次第。

 

現地では、設計者の今村さんにもお会いし、ご挨拶が出来ました。そして今村さん、松本さんのご説明を受けながらじっくりとその空間、そしてそれを形づくるディテールを堪能させていただきましたよ。

 

冒頭の写真はその「中庭」部分。既成サッシでない制作の開口部がとても清々しいですね。設計者である今村さんの開口部への想いは並々ならぬものがあり、ダイニングの窓もこんな感じ。プロなら、これが非常に難しい仕事だとわかると思います。

160724-133840

 

他の部分の色んな納まりも、かなり突き詰められています。その設計者の想いを、とても精度高い仕事で見事に納めているのが私にはよくわかるので、松本さんに「すごいねえ」と素直な感想を。

 

今日、松本さん今村さんにもお話したことですが、私が他のつくり手の志事を「この家、見てみたい」と思う時、というのは、やはり自分の志事への刺激になると感じる時です。それは間取りの場合もあるし、仕上げも、ディテールも。

 

KJWORKSは設計と施工を共におこなっている工務店で、色んな部分の納まりには「標準詳細」と呼ばれる、いわば「型」があります。間取りを考える時も、その「型」を念頭に置きながら手を動かしてつくっていますね。

 

「型」は「スタイル」とも言えますし、それをもつことは悪いことではありません。しかし、常にそれを過信し、「あたり前」として進むことは、場合によってはよろしくない。「惰性」という慣れきった世界に堕する恐れがあるからです。

 

いつ自分がそうなってしまっているかは、なかなか自分ではわからないものです。しかし、そうなる可能性が常にあると思っていることは大事ですね。そして、そこに時々「新風を吹き込む」べきだと意識しておくことも。

 

今日の見学会は、私にとっては久しぶりにそういう気持ちにさせられた建物だったというわけ。一応プロですので、ある程度はWEBに載った写真で想像がつくし、そこで惹かれるものと、そうでないものがあるんです。

 

自分にとっての刺激であり、かたまりがちな「型」へ吹き込む「風」であるような建物ですから、いつも自分たちがつくっている木の家とは似て非なる雰囲気のものが好ましい、ということになります。その意味で、今村さん設計のこの家は、非常にエキサイティングでした。

 

そしてもうひとつ、今日のエキサイティングな出来事。私が見学会場に着いて松本さん達と話していると、そこへよく知った顔が現れました。インテリア末永の末永さんです。今村さんが末永さんから木の椅子を購入され、今日は見学会用に椅子を提供しておられたのですね。

 

思わぬ対面にお互いびっくり。世間は狭いなあ。私と松本さん、今村さんと末永さんの間柄などお話し、より楽しいひと時に。

160724-130408

 

上のダイニングの写真もそうですが、他にも末永さんから「マンタ・レイ」という名の椅子も提供されていました。

160724-131701

 

完成見学会というのは、ともすれば家というハコだけで暮らしが見えない、という感じを与えかねません。しかしこうした家に合った木の家具が入っているだけで、その印象は全然違います。末永さんは建築設計もしておられるので、今日は空間についての話も出来てよかった。

 

KJWORKSとはまた違う空間の魅せ方にぐぐっと食指が動いて訪れた木の家の見学会。その直感も正しかったし、さらに思わぬ人と人とのつながりも味わうことができ、何だかとても清々しい風を受けたような、そんな気分になれた時間でした。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です