理屈と体得

20160803-113619

〈パスタづくりの基本をもう一度見直す本で、ちょっとまた進化できそうな気がします。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は私の「事務所ごはん」、料理の話を書こうと思います。個人的に心動かされた話ではありますが、しばし駄文におつきあいのほどを。

 

この「木の空間」で食べる私の昼食は、たいていパスタです。今日の冒頭の写真はその調理風景ですね。ここへ来て2年、つくるのはだいぶ手慣れてきたかな。そういえば昨年の今頃、「習うより慣れよ」と題した記事を書いたことも、今日思い出しました。

 

でも最近、パスタをつくっていてよく思うことがあったんです。「このやり方で、ほんまにええんやろか?」と。私なりに手順を考えてやっているんですが、何と言っても素人の思いつきですから、正直あまり自信がない。

 

そんな時、Amazonでオススメに出てきたある料理本の「なか見!検索」でビビッときました。あ、今自分がほしいのはこれや!と思いました。というのは、その本には冒頭にこう書いてあったんです。

 

「この本では『理屈』を教えます。口を酸っぱくして教えます。『理屈』がわからないと、おいしい料理はできないからです。」

 

その本は、『落合務のパーフェクトレシピ』という本。私は存じ上げませんでしたが、落合さんはラ・ベットラという有名なイタリアンのシェフだそうですね。

 

私も、料理本をもっていないことはありません。でも、どちらかと言うとレシピ本であって、こういう「理屈」を書いた本はほとんどない。それらを見ながら、あるいは思いつきで色々やりますが、そこには理屈の裏付けが弱いなあ、と。

 

なので早速落合さんの本を調べました。「パーフェクトレシピ」は色んな料理を網羅しているようだったので、まずはパスタの本を、と思って買ったのが『落合シェフの「絶対おいしく作れる」パスタ』です。冒頭の写真、左側にちょっと写っていますね。

 

文庫になっていたので、まず通勤で読んでみて、まさに自分が欲しかった内容だと、ちょっと感動。最初に4つのルールが出てきますが、ここですでに私のいくつかの疑問が氷解するのを感じました(笑)。

1.パスタの茹で方 2.パスタは炒め物じゃない、「和え物」 3.ソースの乳化 4.塩加減について

 

特に「ソースの乳化」。こういうことをあまり意識したことがありませんでしたが、でもオイル系パスタの場合、この乳化という工程がとても大事なんですね。茹で汁を入れてフライパンをゆするだけですが、その意味はとても大きい。

 

なぜパスタを茹でるのに塩を入れるのか。乳化とも関係があるこの行為ひとつとっても、私にはその意味はあまりわかっていませんでした。でもそこにはちゃんと「理屈」があるし、そうでなければならない理由があるんですよね。

 

そしてその後に色んなパスタのレシピが出てきます。これも今まで私が見てきたレシピ本とは違っていて、とにかく一番シンプルなレシピが最初に出てくる。そして徐々に具が増え、方法が複雑になっていく。

 

レシピ本には普通、「パスタにバターを絡めただけ」の一品は、あまり載ることがないと思います。しかしそれがあえて載せてある。そしてそのつくり方も、読むとなかなか含蓄深いんです。

 

それは、「単純」ではなく「基本」なんですね。この大元、基本をきっちり押さえること、それを支えている「理屈」をきっちり理解し体得することで、その先の応用が効きやすくなる。そういう考え方でつくられた料理本だと感じました。

 

一年前、経験数から「できること」が増え、考えなくても体が動くようになる、ということを書きました。それもとても大切だと今も思っていますが、でもその経験に「理屈」が裏打ちされたものとして己に体得されているなら、それはもっと強い力になる筈。これ、どんな志事にも相通じる話ですね。

 

私のパスタも、もう一度基本を見つめて、アーリオ・オーリオからやり直してみようと思います。きっとそれを押さえることで、その先の創作に更なるふくらみが生まれるような気がしますから。


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