刺激から深まりゆく

20160821-085536

〈直感の導きにしたがって行ったデュオ・ライブで受けた刺激が、また何かを変えていく感じです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日の夜、久しぶりに生演奏を聴きに行ってきました。それも、その日の朝に開催を知ったライブへ。ちょうど時間が取れる日だったとはいえ、私にはかなり珍しいことです。

 

朝一番に見たFacebookのニュースフィードに、「一緒に行きませんか?」の文字。投稿者は私の「間取り屋」のお客さまで、自分がピアノを習っている先生のライブ、とのこと。ポスター画像を添えてあったこの投稿に、なぜか自分の直感が「行こ」と言ったのでした。

 

早速お願いをして、夕方からご一緒したのは、ピアノとバイオリンのデュオでした。といっても、直感だけで動いたので、どういう趣向のライブなのか全く知らず。先生はジャズピアニストらしい、ということくらいで、バイオリニストさんの情報はゼロ。

 

行ってみると、会場は「ビビアン」という飲食店でした。ライブが始まる前にフリードリンクの注文、そしてライブの休憩時間に軽食とデザートまで出て、びっくり。でも、ビール飲みながらの生演奏は、とてもグッドでしたよ(笑)。

 

ピアノは杉丸太一さん、バイオリンは高橋誠さん。そしていよいよ始まった演奏を聞いて、あっと思いました。私が普段聞くクラシックのバイオリンとは全く違う奏法と音色、これはもしかして、あの「ジプシーミュージック」というやつでは!?

 

後で調べたら、高橋さんがジプシー音楽を積極的に演奏されるご様子。どの曲も、時にゆったりと、時に激しく早く、緩急の幅を大きく揺れ動いてとても特徴的、聴いたことのない響きです。

 

杉丸さんのピアノの音色も、一音一音が水滴のような粒になって立っている感じで凄い。あれは「ロシア奏法」なのだとお聞きしました。ジャズっぽい即興もまじえ、その独特の雰囲気をナマで存分に楽しむ2時間でした。

 

放浪の民とも呼ばれるジプシーは、ロマとも呼ばれるそうです。その差別と迫害の歴史、私でも少しは知っていますが、でもその民族音楽としてのジプシーミュージックというものを今まであまり意識したことはありませんでした。

 

しかし、普段聴くことのない音楽をこうしてライブで聴くというのも刺激的でいいものですね。オリジナルの曲に混じって、「チャルダッシュ」や「ダークアイズ」など、私も聴いた覚えのあるメロディが流れたりもして。

 

演奏前に曲の紹介をしてくださるのでそれがわかったのですが、「では次はジプシーのナンバーから『チャルダッシュ』を」という紹介の仕方。ははあ、あの曲は元々ジプシーの曲なのかなんて、そういう意味でも刺激的だったんです。

 

そして今日、やはり気になってジプシーの音楽について調べてみました。そうしたら、彼らの伝統音楽がいわゆる主流の西洋音楽に与えた影響の大きさが段々わかってきて、驚いている次第。

 

「チャルダッシュ」もそうだし、ブラームス「ハンガリー舞曲」もそう。私が好きなラヴェルの「ツィガーヌ」という曲などは、タイトルそのものが、フランス語で「ジプシー」という意味だそうです。サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」も同じ、ドイツ語で「ジプシーミュージック」という意味。

 

ああ、無知というのは本当に恐ろしい。そういうことを全く知らないで聴いているというのは、別に悪いわけではありませんが、やはり勿体ないという気がします。

 

ラヴェルがフランスのバスク地方の生まれであることは知っていますが、その一帯がスペイン系ジプシーの多い地域だということも知らなかった。ラヴェルがその音楽の民族性を自分の音に採り入れた経緯を知って聴くならば、もっと深く味わえるのかもしれないのに。

 

と、そこまで考えて、ああこれだと思いました。私が「行こ」と感じたのは、これだと。実は最近ちょっと馴染みの音楽を聴くのに飽きるというか、気が乗らない感じがあったんです。それに新たな刺激をビビビッと加えて何かを打破せよと、そういう音楽の神様のありがたいお告げですね、きっと。

 

思えば、人間って自分がもっているものが段々あたり前になって、その価値を忘れがちですよね。でも、そこにちょっと異質な刺激が加わることで、それとの化学反応が生じ、手持ちの知識や能力も、さらに深まっていく。

 

今回知った「ロシア奏法」というものも、かなり気になる。こうした刺激をもたらしてくれるものを、無意識に識別して教えてくれるのが、直感というものなのでしょう。深まりたいならそれに従うべし、ということですね。


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