基準をうむ間取り

2016-08-26

〈間取り屋としてのご提案に、自分のやってきた方法論が意味をもつと再認識しました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨年末から、KJWORKSとしての木の家づくり(設計・施工)と並行して「間取り屋」稼業を始めています。といっても、まだ実績は少ないですが。今日はそれについて、ちょっと想ったことを。

 

「間取り屋」というのは、KJWORKSによる施工でない家について、お客さまがそのつくり手の間取りに満足出来ない時に、「間取りのセカンドオピニオン」として使っていただくことを想定しています。

 

私はKJWORKSでの志事として、ずっとこの「間取り」をつくってきました。それは、敷地の良さとご家族の暮らしについてのご希望を、ひとつの間取りにまとめ上げる作業。17年間で、その数はおそらく300を超えるでしょう。

 

今日ある方から、「もうちょっと宣伝されては?」とのお言葉をいただいて、この文章を書くことにした次第。そして過去につくった「間取り」を調べなおしたりしながら、それぞれの木の家の想い出にちょっと浸っていたのでした。

 

例えば、今日の冒頭の写真はある木の家のためにつくった間取り、その第1案です。このお宅は実際に施工されましたが、でもそれはこの絵そのままではありません。これを叩き台にして色々とやり取りし、第3案くらいで決まった記憶があります。

 

実際に図面に進んで施工された間取りではなく、だからこそこうしてここにオープンに出来る、というわけですね。実際につくられる図面は、お客さまの個人情報になりますから。

 

考えてみれば、ひとつの木の家の間取りが、第1案でそのまま決まることもあれば、そうでない時もあります。私も万能ではありませんので、全ての間取りが一発採用、とはなっていないんですね。

 

でもこの第1案の間取りというのは、私なりに「ベスト」だと思ってつくっていますので、そのままOKとはならなくても、お客さまとKJWORKSとの話し合いの基準、いわゆる「叩き台」としての役目を果たしてくれます。

 

通常、お客さまの方は事前に間取りをイメージ出来ません。この第1案が出ることで、ようやくその絵を基準として、そこから得る自分の感覚というものを知ることが出来る。その感覚と、私が語る間取りの理論的な説明を照らし合わすことで、次への「基準」が生まれてくると言えるでしょう。

 

このお宅も、大きな考え方としては間違っていなかった。でももう少し面積を縮小したいこと、2階の室の位置関係の調整をすることが、この間取りを叩き台として決まっていったのでした。

 

今日、そんなことを想い出していて、気付きました。あ、セカンド・オピニオンとしての間取りに求められることも、きっとこれと同じやん、と。

 

間取りのセカンド・オピニオンを求める方というのは、元々手にしている間取りに何か違和感のある方だと思います。でも、その違和感が言葉に出来ない、もしくはつくり手の説明と自分の感覚が合致しない。それが「何か他のいい方法はないのか」という想いを生む。

 

私がつくる間取りには、必ず理由があります。土地の良いところを活かし、ご家族のご希望をそこにミックスしながら、でもKJWORKSとして「こういう家がいい」という想いを必ずそこに乗せてあるからです。

 

セカンド・オピニオンは、きっと最初の絵とは違うものでしょう。その違いと自分の感覚、そして間取りについての理詰めの解説があってはじめて、最初の絵を相対化するビジョンがお客さまの中に生まれる。そう私は思うんですね。

 

建築の素人のお客さまに、何かもやもやした違和感を感じさせてしまうのは、プロとしてはよろしくないこと。自分なりの理論と、自分なりの感性を総動員してつくった間取りは、そうはなりません。もし違っていても、その違いがはっきり見えるからです。

 

悩めるお客さまに、そうしたはっきりとした個性をもった間取りをご提案することこそ、「もつべき己の基準」へと導く良き方法である。そんなことを自分なりに再認識した今日でした。

 

間取り屋山口、もやもやとお悩みある方々のお役にたつべく、日々研鑽しております。どうぞよろしく、お見知りおきくださいませ。


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