木を知るティータイム

2016-08-29

〈先日行った若葉家具さんで、なかなか魅力的な「あるようでないもの」見つけました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日はずっと雨ですね。事務所で粛々と見積り作業をしていたら、ふと先日の「大人の遠足」でちょっと感動したモノを思い出しました。少しご紹介いたしましょう。

 

冒頭の写真がそれ。あまり説明は不要かもしれませんね。とても可愛らしい、無垢の木でできたモノたち。大きさは、私が両手で輪をつくったくらい。皆さんこれは何だと思われますか?

 

受け皿のようなかたちのモノの中に、それより一廻り小さい平らなモノが入っています。そしてみな違った木で出来ていて、どれも何やら見たことのあるカタチをしていますね。

 

これは、先日伺った若葉家具さんのショールーム「のとこ」にあったもので、菓子皿とコースター、という感じのセットです。片付ける時はこうして中に入れて仕舞う、という意図なのでしょう。

 

そして、この愛らしいカタチは、その原材料の樹種をあらわしています。右上の「ドングリ」は楢(ナラ)の木、右下は、そう、栗です。真ん中上のこの葉っぱは、メープルこと、楓ですね。

 

段々と難しくなりますが、でも材を知っている人ならすぐにわかります。左下は、KJWORKS阪神「木の空間」の床にも使われている木。チェリーですね。柄が付いていないので、サクランボ、ちょっとわかりにくいかな?

 

最後に左上は、これはカタチからはわからないかもしれません。材料はウォールナット、ということでカタチは胡桃の実でした。こんな風にすぐわかるものからそうでないものまで、「難易度」があるのも楽しい。

 

この「樹種とカタチ」とがセットになっているモノたち、名前を「果実盆」と言うそうです。小泉誠さんデザインで若葉家具さんがつくられたこの子たち、可愛らしさもさることながら、その「わかりやすさ」が大いに魅力です。

 

小泉誠さんの説明を読むと、この果実盆は「木を知る道具」とあって、そこに私も「いいね!」と思いました。これは、人を無垢の木の世界、そして木工の世界へといざなう素敵なグッズやなあ、と。

 

このセットを使ってお茶とお茶菓子が出てきたら、まず「形が同じ」と感じるでしょう。そして次に「なんの形かな?」となる。そこで形と素材との関係を知った時、単なる形だけでなく、樹種だけでなく、その「関係」を体感することが出来る。

 

よく無垢板のサンプルや、棒状になった木のサンプルを見ます。その見た目と感触とを「名前」と結びつけることは出来ても、その材が「樹木」であった時を想像するのは難しいですね。

 

果実の、あるいは葉っぱの形を併せて感じ取ることで、生きている樹木がこういう木材になるんだということに、知らない人も、あるいは子どもたちも、想いを馳せることが可能になる。

 

それは、今の時代にとても意義あることだと思います。そういう教育的なチカラをもつモノを、このような佳き実用品として、なおかつ魅力的な形に仕上げる小泉さんのデザイン力は、やはり素晴らしい。

 

出来上がってみたら、何ということのないモノのようで、でも今まであるようでないもの。良いデザインとはそうしたものなのかもしれませんね。またそれは、私たちがつくろうとしている「つみきばこ」が目指すものとも一致しています。

 

若葉家具さんへは本来「つみきばこ」の製作の件でお邪魔していたわけですが、そのとても良いお手本を見せていただいた気分。その意味でも実りある、府中への出張だったのでした。


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