つながる技を学ぶ

2016-09-04

〈「木の家の断熱を見る会」での学びは、断熱だけの話にとどまりません。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は午後から、吹田市で進む木の家の現場にて、連続講座「お家の勉強会」が開催されました。基礎、骨組みときて、今日はその3回目「木の家の断熱を見る会」です。

 

夏涼しく冬暖かい家が何よりだと思いますが、その実現にあたって断熱方法が果たす役割は大きい。今日は断熱施工が済んだ現場で、KJWORKSの木の家における断熱の考え方、つくり方についての学びの時間でした。

 

冒頭の写真、スタッフ安本くんが説明をしているところ。そして中央奥のグレーに見える壁が、断熱材施工直後の状態ですね。KJWORKSでは充填断熱材「セルロースファイバー」というものを使っています。

 

今日はそのセルロースファイバーの特性と、そしてその外壁側に張るMOISSという素材について学びました。その2つと、そしてその外側に設ける「通気層」という空気が通るスペースが、トリオで意味を成す、ということを。

 

それは断熱という意味に留まらず、木の家を永持ちさせるための大きな意味をもっているトリオであり、その意味とは「結露を防ぐ」です。結露と言っても窓に付くアレではありません。壁の中での結露です。これが実に怖い。

 

断熱材の種類を問わず、その施工が確実でない場合は、すぐに壁体内に湿気が入り込みます。その湿気は、断熱材の外側(寒い側)で水滴に変わる。そして壁の中で、家の構造材を濡らしていきます。

 

それを極力入らないようにする。そしてまた、入っても出て行くようにつくる。これが断熱と結露防止を共に実現するためのキモであり、私たちが辿り着いた結論が、前述の3つの組合せだというわけなんですね。

 

「切って入れる」断熱材ではなく、「隙間なく充填する」断熱材。そして湿気を通しやすい組成の外壁構造パネル。最後に、壁の中に入ってしまった湿気の「出て行く場所」。この3つが揃ってはじめて、見えない場所の湿気を操ることができる。

 

ちなみに今日は、安本くんの説明の前に、私からも少し皆さんにお話をさせていただきました。断熱工事の段階ではだいぶ間取りも見えてきていますので、このお宅の間取り担当の私から、その辺りのご説明を。

 

その後に断熱と結露防止のための施工法の話があるのがわかっているので、私はこの家の間取りに加えて、KJWORKSの間取りの考え方の説明をしました。それも実は、断熱や結露防止ともつながっているからです。

 

基本的に「家族の間」を中心とした廊下のない間取りとし、その家族の間には吹抜けを。そして1階に家族の間がある場合の2階も、吹抜けに面したオープンな共用スペースを中心として、廊下をなくしていく。

 

こういう方法は、面積を無駄にしない、家族のコミュニケーションを活かすといった意味もありますが、風通しが良くなるというメリットもある。水平方向にも垂直方向にも空気が流れやすくなって、それはおのずと湿気がこもりにくい空間になるんです。

 

一方でこうしたワンルーム的な間取りを実現するためには、それ相応のきっちりとした断熱性能が必要になります。「広いけど寒い」はよろしくありませんから。また、大きな開口部は夏は風通し、冬は日射を家の奥深くまで採り込む役目をしてくれます。

 

要するに、家のつくり方というのは全てつながっているということ。ひとつだけ独立して考え、性能を上げても、あまり意味が無い。大元にあるのは「こういう家をつくりたい」という大きな思想、なおかつ日本の気候への馴染み方。

 

それがまずあって、それを実現するために構造や断熱や設備などの仕様が決まっていく。そうでなければ、トータルで良い家とは言えない。そう私は想うんです。

 

この「お家の勉強会」は、出来上がったら見えなくなる大事な工程をお客さまに見ていただく、という主旨の見学会です。でも、順に見ていきながら、それぞれの工事が全てそうした思想の元につながっているということが伝わったなら、なお素晴らしいことですね。

 

ひとつひとつを知り、その中でそのつながりを知る。「お家の勉強会」はそういう機会でありたいと、今日もまた感じたのでした。


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