ニッチとフラット

2016-09-08

〈カッコいい木と鉄のキッチン。でもこれ、いわゆるシステムキッチンなんですよ。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は大雨かと思ったらカラッと晴れたり、芦屋は変なお天気でした。その中で私は黙々と、新しい木の家の間取りをCADで図面化し、そして数量を拾って見積書をつくる一日でした。

 

そんな中、ふと事務所のインターフォンが鳴ったので出てみたら、親しくさせていただいている「木のキッチン」メーカーさんの担当営業さんが。「新しいシリーズのカタログ、おもちしたんです」と。

 

あらら、わざわざすいません、送ってくださればよかったのに、なんて話しながら、その新しいカタログを見て、ちょっと唸ってしまったんです。おお、システムキッチンも今やここまで来たか、と。

 

それが今日の冒頭の写真のキッチンです。これ、何だかやけに楽しそうではありませんか。木と黒い鉄とステンレスの組合せ、まるでどこかの洒落たカフェのような、このラフな雰囲気。

 

この新商品のキッチンシリーズ、名前は「KUROMUKU」。見た目にピッタリのいいネーミングだと思いました。メーカーはウッドワンさん。「無垢の木を使った既成品」を色々と扱っておられるんですよ。

 

同社はニュージーランドにラジアータパインの森をもっておられて、その無垢のパイン材を使った商品を開発・販売しておられます。フローリングや建具など様々ですが、私が好んで使わせていただいているのが、無垢の木を使ったシステムキッチンです。

 

KJWORKSの木の家づくりでは、キッチンそのものを家具としてオリジナルでつくることが可能です。でも、間取り上ごくシンプルな「I 型(火と水が横並びのタイプ)」のキッチンになるなら、敢えて制作しなくてもいい、私はそう思います。

 

とは言え、一般的なシステムキッチンは、KJWORKSの木の家には全く似合いません。そこで色々模索して見つけたのが、ウッドワンさんの「木のシステムキッチン」だった、というわけなんですね。

 

無垢の木の面材を使ったシステムキッチン、これはあるようでない、ニッチな商品です。ウッドワンさんはとても良いモノをつくっておられるのですが、ちょっと「商売下手」なところがあるようで、今もあまり認知度は高くありませんね。

 

そして今回、この「KUROMUKU」シリーズで、さらにニッチな世界へと進出していかれる感じがしました。無垢の木という得意技を活かし、ステンレストップに「黒い鉄」という新味を加えた、オープンでラフなスタイル。これはかなり希少価値ではないでしょうか。

 

私は断じて同社のまわし者ではありませんが(笑)、でもこういうニッチな取り組みをしているメーカーさんには、好感がもてますね。同社はそれこそ床や建具がメインで、システムキッチン部門は大手キッチンメーカーよりも規模が小さい分、機動力があるのかも、と想像します。

 

そう、既成品といえば大手メーカーさんの方に眼が行きがちですが、でもこうした中小規模のメーカーと言われるつくり手の中にも、ちゃんと世の方向性を見つつ、それに合わせた商品開発をしているところもある。

 

そんなニッチな製品づくりを、私たち家のつくり手は見逃してはいけないですね。常に自分の目線をフラットに保つ。そして世に数多あるニッチな、そして真面目なつくり手の声に耳を澄ませるべき。

 

制作家具であればそれこそ何でもつくることが出来ますが、でもそれだけが能ではない。良いモノを探す能力も同じくらい重要。いくらニッチといっても、完全な一品生産よりはコスト面でもメリットがあるでしょうから。

 

今日私が知った、システムキッチンという名前にそぐわないカッコいいキッチン。こういう良いモノを知って、自分の中の引出しに納めておくこと、それが即ち自分の提案力を高めることに他なりません。

 

そしてそれより何より、こういう楽しげなモノをもっと知ってもらいたい。単純にそれが、今日のブログの主旨であります。


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