素材感の馴染み

2016-09-10

〈ふと思い立って訪ねた事務所は、また違う木のもち味がいっぱいでした。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は午前中、阪急王子公園駅のあたりにいました。所用のあと、ふと思い立って少し立ち寄りを。確かこのあたりに事務所があるんだったよなあ、と思いながら、WEBで探索して、冒頭の写真の場所へ。

 

ここは、床材など無垢の木製品を扱っておられる「SHARE WOODS」さんの事務所が入っているスペースで、「HASE 65(ハーゼロコ)」という名前。最近お知り合いになったシェアウッズの山崎さんを、訪ねてみたんです。

 

残念ながらアポなしでしたので、山崎さんはご不在でした。でも、シェアウッズさんと一緒に「ミドリカフェ」さんという植栽・造園の志事の事務所もあって、代表のウチダさんにご挨拶させていただきました。

 

木材製品と造園、その2つの事務所が同居って、面白いですね。そしてどちらも、木の家づくりに関わりの深い志事です。そしてここはカフェでもあるということで、しばしコーヒーにて、空間を愉しむ時間を。

 

実はこのHASE65、まさに阪急王子公園駅の真下にあります。高架下の利用なんですね。コンクリートの背の高い空間の中に、鉄骨で2階建ての空間が設えられていました。そして壁は、コンクリートブロックがむき出しのまま。

 

そんなゴツい感じの空間が、こんな風に使われていました。

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これがミドリカフェさん。土にこだわっておられるとのことで、園芸用土やガーデニンググッズなどが並べられています。

 

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そしてこっちがシェアウッズさんのコーナー。冒頭の写真にもある通り、輪切りの丸太がそのままデンと積まれていました。

 

KJWORKSがつくる木の空間とは、だいぶ雰囲気が違っています。荒削りと言っては失礼かもしれませんが、かなりラフでワイルド。でも何というか、その感じが全体的にうまく統一されているんですね。

 

阪急の高架下ですから、時々電車の音がゴトンゴトンと響きます。そういう場所のあり方、無機質なコンクリートや鉄の武骨な感じ、そして店内の木や鉄を使った設えと、そこに置かれているモノたちも。

 

ははあ、こういうザックリした感じもなかなかいいな。そんなことを思いながら、美味しいコーヒーをいただきつつ、しばらくその空気に浸っていました。音楽が鳴っていないけど、ここなら何がいいかな、ブルースかな、などと想像しながら。

 

こういう荒削りの妙とでもいうべき空間は、なかなか一からつくることは逆にしにくいもの。阪急高架下という特長ある場所を活かして、そこに良く合う設えを考えられたのでしょうね。

 

それにしても思うのは、木という素材の懐の広さです。こういったラフなもち味の空間においてコンクリート系の素材とも合わせられるし、鉄ともよく合う。また一方では細い細い障子の組子になったりして、和紙や漆喰と共に繊細極まりない和風建築の主役となる。

 

それは、木という素材の「素材感」というものが、樹種によって、仕上げ方によって、非常に大きな幅をもっている、ということなのでしょう。また、日本人は長い木材利用の歴史の中から、それを肌で知っているのだと思います。

 

このHASE65では、扱っておられるのが木材と土、ということで、なおさらその素材感のバランスが空間そのものと上手いバランスだと感じました。どんな空間づくりでも、大事なのはその「馴染み方」ですもんね。

 

私が思うに、空間の心地よさには、そうした素材感の馴染みが上手くいっているかいないか、ということも大きな要因になっている。今日は自分がつくるものとはまた違ったお手本を体感して、改めてそういうことに想いを致すひとときでした。


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