ゲンバの機転

2016-09-26

〈築12年の自宅でテレビ配線の工事。電気屋さんのアイデアがより美しい施工へと結びつきました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は朝から、電気屋さんが我が家へ来てくださいました。玄関照明の明暗センサーが故障していたのと、後はテレビの配線を増やすという工事をお願いしていたのでした。

 

我が家には従来、テレビのジャックが一箇所しかありませんでした。この家を建てた時、2台もテレビがあるような暮らしは私には想像できなかったし、まだ子どもたちも小さく、皆が一緒にテレビを観ていましたから。

 

でもそれから12年、思った以上に暮らしの変化は大きかったようです。私はほぼ全くテレビを観なくなり、逆に子どもたちはそれぞれの好みで違う番組を観る。録画していても足りないほどに、テレビの取り合いになってきたんですね。

 

そんな時に、なんと、奥さんが商店街の福引(今もまだあるんですね)で、テレビを当ててきました。信じ難いことですが、しかし事実でして、これはもうひとつジャックが要る、という事態になった次第。

 

ということで、事前に電気屋さんと今の入線位置、ブースター(増幅器)の位置、新設のジャックの位置を確認し、何とか屋外配線をパイプに仕込んで施工可能でしょう、という打合せをしました。

 

そして今日の施工となったわけですが、先日の打合せ以降も、電気屋さんの方は色々と「もっと上手いやり方」を模索してくれていたようです。来てからも実際の配線状況を色々と確認し、さらに良い方式での施工を提案してくれました。

 

我が家はJ-COMというケーブルテレビを視聴しているのですが、その場合のみ、内部のブースターからでなく、その大元の引き込み部分からの分配が可能ではないか、というのです。これは光ケーブルでは出来ないことだそうです。

 

そして更に、その根元で分配した線を既存のエアコンの冷媒管の穴から室内に入線すれば、新しく外壁に穴を開けることなく仕込むことが出来て、将来的にも不安要素が減りますよ、と言う。

 

先日の打合せによる外部配線の方式でもまあよかろう、と考えていた私は、この、まさに施工しようとする現場においての機転の効いた判断に、大いに感心したのであります。それいいね!と。

 

そして今日の冒頭の写真。これが電線からの入線部分での工事で、そしてエアコン穴から仕込んだ先の室内の配線工事だけで、本来の目的を達する工事は完了しました。当初の予定より、だいぶ時間も短縮です。そして、とても気持ちがいい。

 

こういう話は、単に「言われたことをやる」という体質からは絶対に出てきません。同じゴールを目指しつつも、少しでも無理なく美しく出来る施工、そして将来に遺恨を残さないような施工、それを常に模索する態度こそ、こうした機転を生むのではないでしょうか。

 

私も家づくりのプロですし、間取りを考えて設計を進める時には「こうしたらいい」という想いがあります。しかし、実際に手を動かす職人さん方から、「そういう狙いなら、こうしたらもっといい」という話を聞いて眼から鱗が落ちたことは、今まで一度や二度ではありません。

 

手を動かす人は、図面だけでなく、実際の「現場」を見てイメージを膨らませ、そしてそこへ手を加えていくと思います。それは寸法をもった3次元の思考と言っていいでしょう。

 

その時にふと閃いた「もっとこうしたら」があった時、それを素直に提案できる現場であるべきと思いますが、それは現場そのものの雰囲気や、工務店スタッフと職人さんとの人間関係にも影響されるはず。

 

二次元の図面上で考える「よい方法」が全てではない。そこに実際の現場でどうプラスアルファを描き加えていけるのか、それが空間としての家づくりの現場の面白さ、醍醐味だとも言えるでしょう。

 

よりよい方法の提案が生まれる現場は、雰囲気もよいはず。今日は自宅のちょっとした電気工事の現場から、ものづくりの愉しさのひとつをまた改めて感じさせられた気がした私でした。


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