果敢なる傍流

2013-09-28

〈いわゆる大手キッチンメーカーには出来ない冒険、愉しんできました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は大阪南港のATCまで、メーカーさんの新作発表会に行ってきました。あまりそういう催しに行くことはないのですが、気になるモノがある時は別です。先日岐阜へ行ったのも同じですね。

 

今月のはじめにこのブログで、「ニッチとフラット」と題してウッドワンさんの無垢の木と鉄のシステムキッチンのことを書きました。名前は「KUROMUKU」。今日はその現物の展示を見に行ったのでした。

 

今日の冒頭の写真がその様子。違いを見るために、前回上げた写真をもう一度載せておきましょう。

2016-09-08

 

とても雰囲気の良い写真ですが、私から見ると、「ん?ここはどうなっているんだろうか?」と思うところが実はいくつかあったんです。それは、細かい納まりの部分の話ですが。

 

写真からではわからないそういうところを現物で確認してみたくて、担当者さんからお聞きした発表会へと足を運んだ次第。自分でいいと感じたものは、やはり現物を見て触って、気になるところは聞いておかないと。

 

例えば、天板です。今日の写真は全部ステンレスですが、先日上げたカタログの写真は、ステンレスと木が交互になっていますね。この2つが接するところ、ここの隙間の水の処理はどうする?とか。

 

今日見て、やはりステンレス同士でも隙間が出来ることを確認。ここはコーキングで逃げたら美しくないよね、組立の際にゴムを挟み込むか?などといった話を、担当者さんとしていました。

 

そういう気になる部分は無きにしもあらず、ですが、全体としてはやはりなかなか面白いですね、この何とも言えないラフな感じが。前回も書いたのですが、これがシステムキッチンだとは、ちょっと信じられない感じでした。

 

私が思うにこれは、良い意味で「本職でない」から出来ることではないでしょうか。というのは、ウッドワンさんは本来はシステムキッチンメーカーではなく、無垢のパイン材をつかった床材や木製建具などが本職なんです。

 

その「無垢の木」を活用するための方法のひとつとして、規模の小さいキッチンメーカーさんと合併をし、キッチンに無垢材を使う、という新しい組合せを事業として始められた、という経緯があるようですね。

 

それが故にでしょうか、いわゆる主流のキッチンメーカーさんと発想の仕方が違うのは。無垢の木を使うこともそうですし、今回のような黒い鉄のフレームを組んだシステムキッチンなどは、その最たるものでしょう。

 

私が今日特に「面白い」と思ったのは、冒頭の写真にあるガスコンロ、そして食洗機です。おわかりでしょうか。どちらも、鉄のフレームの中に組み込まれていますが、その左右、機器の側面が丸見えなんです(笑)。

 

機器の側面というのは通常は隠れる「裏」の部分。普通はこういうことは、キッチンメーカーさんはしません。でも、このラフなスタイルのキッチンを好む方なら「それでいいやん」となるだろう、そう思いました。そのラフさ加減がちょうど合っていますから。

 

というか、こういう勇気あるチャレンジを見たからこそ、通常は機器の側面は隠れるから見せていい感じの顔になっていないんだ、ということに気づく。その、あたり前が暴かれる感じが、また面白いですね。

 

そして、それをわかった上でその裏を敢えて表に晒すことの英断は、小さな会社ならいざしらず、こうした大きなメーカーさんではなかなか難しいのではないかと想像します。己は傍流であるとの認識が、そのチャレンジを可能にしたのか、と。

 

システムキッチンの主流を成すメーカー群とは一線を画して、傍流であればこその果敢な挑戦から、今までになかったこのような面白いキッチンが製品として生れてくる。

 

私は一品生産である「家づくり」を生業とするものですが、そうした硬直していない、弾性に富む組織がチャレンジングに生み出すモノにも、素直に拍手を贈りたいと思うのです。

 

実は今日は、キッチン以外にも色々とウッドワンさんの果敢なチャレンジを見せていただきました。無垢の木と黒い鉄によるシリーズの可能性の広がりを感じ、またひとつ私の引出しを増やせた気がしています。


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