暮らしのなかの時差

2016-10-01

〈末っ子中学生がつくってくれた広島焼きを食べながら、生活時間のずれについて想いました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。今日は恥ずかしながらプライベートの話を。とはいえ私の志事にもつながる話でもありますので。

 

最近、奥さんの志事が忙しくて帰りが遅くなることが多く、週に2日くらい私が晩ご飯を担当しています。秋は行事が多くて保育士は多忙な時期なんですね。今日もその日で、早めに帰ってきました。

 

でも、今夜晩ご飯を一緒に食べるのは、私と中学生の次女の二人だけです。奥さんも遅くなるし、高校生の息子も遅くなる。そして、大学生の長女はしばらく留学で家にいないんです。

 

元々共働きの山口家、段々と子どもたちが大きくなるとともに、家族が揃って晩ご飯、ということがめっきり減ってしまいました。奥さんと私で夕食の分担をしているということは片一方は遅くなりますし、子どもたちも部活や塾やバイトなど、など。

 

やはり寂しい気持ちもありますが、そんな中でも出来るだけ美味しく晩ご飯を食べてほしくて、私が担当の時、何回かに一回はお好み焼きをします。これだと、皆が帰ってくる時間をあらかじめ聞いておいて、それに合わせて焼くことができますもんね。

 

今日も朝から「今夜はお好み焼きにしよか」と言うと、中学生の末っ子が言いました。「広島焼きがいい!あ、今日はつくり方教えて」と。今夜は二人で食べることも、わかっていますので。

 

大阪のお好み焼きが元々好きでなかった末っ子、今年の初詣に厳島神社に行って、その時に広島駅にあるお店で食べてから、広島焼きの大ファンになってしまったんです。私もせがまれて、時々つくるように。

 

「広島焼き、大阪のより難しいよ。」「いっぺんやってみる。」なんて話をして、今日はつくり方を私に聞きながら、チャレンジしていました。何とかかんとか出来上がったのが、冒頭の写真です。

 

見た目はともかく、味はなかなかよろしい。「お兄ちゃんとお母さんの分は、お父さんつくってや」「はいはい」なんて言いつつ、二人で食べながら感じていました。この子とも、こうやって一緒に食べられるのは今のうちなのか、と。

 

私は木の家の間取りを考える志事をしていて、そのご家族のご希望の中で、「家族の間での生活時間帯の差」ということをよくお聞きします。ご夫妻と子どもたち、そして二世帯住宅では、三世代それぞれの差を。

 

生活時間帯にずれがあることが間取りに影響をおよぼすのは、主に光と音です。それはすなわち、世代による就寝時間の差をきちんとサポート出来ること。

 

ですから、二世帯住宅での寝間の位置には特に気を使いますね。上下に同じ場所にあると、上で歩く音が響いたりすることもありますから。なるべく平面的にも離すことを意識して間取りをつくりますね。

 

そうした「暮らしの中の時差」のことを考える時、自分自身が体験してきた暮らしがそのイメージの元になりますが、しかし私は三世代同居をしたことがなく、そのあたりは想像の域を出ない部分もあります。

 

でも、最近の自分の暮らしから、睡眠以外に、こうした食事時間のずれも家族にとって大きなファクターなんだと考えるようになりました。これは、今まで私自身の実感としてわかっていなかった部分だと言えるでしょう。

 

それが間取りを考える際にどのように効いてくるのか、今はまだわかりません。でも、鉄板で家族の時間に合わせて焼けるお好み焼きのように、時間がずれてもそれが暮らしの愉しさを奪わないやり方、きっとあると思います。

 

これは常々思っていることですが、家づくりを生業にする人にとって、何よりその拠り所になるのは、自分自身の暮らしの経験です。木の家に暮らして12年、もうすぐ50歳になる私も、まだまだこうして暮らしぶりが変わっていくにつれ、実感として気づくことがある。

 

生活者として、その経験をお客さまの家づくりに活かす。その道に終わりはなく、一生勉強ですね。二人で広島焼きを食べ、そして後から帰ってくる二人のためにまた鉄板で調理をしながら、そんなことを思っていた今宵でした。


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