2階で暮らす実感

2016-10-05

〈2階リビングの家、間取りギャラリーに載せる数があまりないのは、むしろ喜ぶべきことでした。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

本日、KJWORKS阪神のHPに先日設けた「間取りギャラリー」に、新しく「2階リビングの間取り」を追加しました。これで当初の予定通りギャラリーは全10室となり、一応の完成を見た感じです。

 

今回10個のカテゴリー分けをして、それぞれに掲載可能な間取りを探したのですが、実はこの2階リビングの間取りだけが手間取ったのは、掲載できるものが少ないという事情がありました。

 

店舗付き住宅の間取り、音楽室のある間取りなどは、そもそも事例が少なく、当然掲載可能なものも少ない。また、スタンダードな2階建て1階リビングのものは、面積別に2室に分けても、素材は豊富です。

 

それらに比べると、2階リビングの家は、このHPに載せても差し支えない事例がとても少なかった。なので、ずっと以前のものまで遡って、今日ようやく7事例を掲載しました。

 

しかしこれは、2階リビングでご提案した家が少ないのではありません。むしろKJWORKSの場合かなりその割合は高いはず。私も本当にたくさんの事例を覚えていますし、いま動いている2階リビングの現場もいくつもあります。

 

色々と事例を探しながら、これは何故だろうか?と考えましたが、しかし答えはひとつしかありません。それは、私がご提案した間取りから変更なく実施となった家が非常に多い、ということ。

 

以前も書きましたが、そのまま木の家として実施された間取りは、お客さまの個人情報となり、許可なくこのように事例として公開掲載は出来ませんから。

 

なるほどそうか、と思ってずっと記憶を辿っていくと、確かに2階リビングの家は、あまりプラン変更なくすっと決まった家が多かったなあ、と改めて思った次第です。

 

では、それは何故なのか。今日の冒頭の写真は、その「2階リビングの家」ギャラリーにも所収の間取りですが、ご覧いただくと、2階の間取りにとても広がりがあり、いかにも心地よさそうです。

 

家族の間とフリースペースの間に階段がありますが、これも2階においては階段の廻りの手摺だけが見えている状態になります。トイレなどの小部屋以外はほとんどワンルームとなり、これ以上ない広がり感。

 

2階に家族の間(LDK廻り)があるということは、1階は玄関、お風呂などの水廻り、個室、納戸、などになることが多い。木造住宅では地面に近い階ほど構造上の耐力壁が必要になりますから、部屋が仕切られている方が、その壁が確保しやすい。

 

そして、2階は1階ほど耐力壁が要りませんから、おのずと壁の少ない、広々とした部屋のつくりを設定しやすくなります。それに加えて、前述のように階段の存在感もなくなりますから、広がりある間取りになるのも当然なんですね。

 

そしてもうひとつ。2階リビングには、お庭代わりのバルコニーデッキを設けます。1階の庭にデッキを設けるのとは違い、落下防止のために手摺で囲われたものになりますが、これがまさに「アウトドアリビング」という、もう一つの部屋に感じられる。

 

実は私自身も、2階に家族の間がある木の家に住んでいます。そしてアウトドアリビングという、外のような中のようなスペースの効果についても体感としてよく知っている。1階よりも明るいし、周囲が建て込んでいたり、遠くの眺望を望む家などにもいい、ということも。

 

と、ここまで考えて、思い至りました。私自身がそういう良さを自分の暮らしの実感としてもっていることで、2階リビングのお宅のご提案には、その私の実感が乗っかって説得力を増しているんだな、と。

 

一般的にはまだ少数派の間取りだと思いますが、間取りを説明する人間がそうした良さを感じながら暮らしていることで、間取りの検討もよりリアルになりますし、説明も自分の言葉になる。これは考えてみればとても大きいですね。

 

今までつくってきた2階リビングの家、それぞれに2階にする理由があります。そして確かに、今までそれで失敗した(1階リビングにしておけばよかった)ということは記憶にない。お客さまに間取りの良さを上手く伝えられている、ということでしょう。

 

自画自賛のようで恐縮ですが、今日はギャラリー用に過去の自分のやってきたことを振り返って、はからずも「自分の体感を自分の言葉で伝える」ことの効果を感じるという、思わぬ収穫を得たような日となりました。

 

※そんな事例が載った「2階リビングの間取り」、ぜひ皆さんご笑覧のほどを。


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