ブラックボックスの生命

2016-10-10

〈遅くなってしまった奥さんのPCをメンテナンスしつつ、何とも寂しい気分になります。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は、特に打合せや来客の予定がなく、PCだけあれば作業できる感じでしたので、自宅で志事していました。土日祝に家に居るのはとても珍しく、たまにはこういうのもいいですね。

 

ダイニングテーブルの私の席にノートPCを出して作業していると、家事を終えた奥さんも、隣りに座ってPC作業をはじめました。二人並んで同じようにカタカタやっていると、なんだか妙な感じ(笑)。

 

そうしたら奥さんが「最近パソコンがすごく遅くて困る」と言う。また、「このウイルス対策のソフトって入れなあかんの?」と聞いてきたり。彼女はPCのソフトのこととか、だいぶ苦手なヒトなのです。

 

私も得意ではありませんが、なんといっても日々の志事に必須の道具ですから、PCをどう快適に使うかについては、私なりに色々調べて自分の方法をもっているし、ソフトのアップデートもわりとマメにやりますね。

 

それに比べると、保育士の奥さんにとってPCは、ずっと志事本来の道具ではなかったはず。でも、最近は段々と管理職になってきて、使う頻度が年々上がっている、というところでしょう。

 

よし、ということで、お互いの作業が一段落したところで、あとは奥さんのPCメンテナンスを集中的にやることにしました。普段夜に帰宅してからの時間にはなかなかやる気になりませんし、こんな日こそちょうどいいかと。

 

ダイニングテーブルは他にも使うので、一旦リビングのローテーブルの上に移動して、さてまずは中身を拝見。ああ、これは遅くなってくるよねえ、という使い方で、でもまあ普通に使っていればこうなるのかな。

 

奥さんはずっとNECのパソコンで、これにはプレインストールという「あらかじめ入っているソフト」がいっぱい入っています。初心者でも使えるようにという配慮かもしれませんが、実際には要らないものばかりです。

 

そういう不要なプログラムを消していき、これは使い方の話ですが、「ゴミ箱」の中に残っているすごい量のファイルを消したりして空き容量を増やし、その後で「デフラグ」というデータの最適化をかける。

 

その後に奥さんから要望のウイルス対策ソフトの「軽いやつ」を入れ、起動時にメモリを食うソフトを減らし、メモリを最適化するソフトなども入れておきます。これでだいぶ動きも早く、使いやすくなったかな。

 

でも、今やPCで志事をする人はすごい数だと思いますが、考えてみれば大部分の人はその中身をあまり理解していないというのが実情ではないでしょうか。いわば、日々ブラックボックスを使って志事をしている。

 

ハードの中身というより、そのデジタルのあり方というか、CPUとメモリとHDDの関係の意味合いとか、OSとソフトとか、そして昨今ではネットとクラウドとか、そういう仕組みを朧げにでも理解しているといないではずいぶん違う、と思うのですね。

 

いつぞやこのブログで、住宅に使うコンロなどの設備機器もブラックボックス化している、という話を書きました。しかし、日々の志事をそれに依存している道具がブラックボックスであるというのも、それと変わらず怖い話ではありませんか。

 

NECなどの、初心者向けというか、そういう仕組をあまり理解していなくても簡単に始められる、という仕様のものは、そのために色んな付属的な重いソフトをいっぱい積んで、却って遅くなって使えなくなる。これも皮肉なことです。

 

PC業界にも、住宅業界と同様「ロングライフを目指さない」という悪しき風潮があり、むしろその最たるものかもしれません。中身がわからず、でもどんどん遅くなって、次世代の高性能機種に買い換えるように仕向けられている。

 

ブラックボックスであることは短命への道であり、ロングライフを目指す精神とは相容れないこと。「仕組みをよく理解して使う道具」であることこそ、いつまでもずっと使えるモノになり得る鍵である。

 

それはつくり手と使い手が共に意識すべきことだと私は感じるし、こうしたデジタルな機器においてもそれは充分に可能ではないかと思うのですが、さて、皆さんはいかがお考えでしょうか。


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