空路のかけひき

tokyo

〈安いパック料金の謎から、航空会社の思惑もわかってきました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。今日はちょっと「出張費」について考えたことを。今日もPCで、出張の予約をしていましたので。

 

かねてよりお客さまと共に進めていた川西市の木の家づくり、めでたくご契約となり、これから実施設計が進められていきます。以前から何度か書いていますが、このお客さまが現在は東京ご在住なんですね。

 

私も今まで何度も東京へお伺いし、打合せを重ねてきました。やはりメールや電話では済まない部分は、お会いしないといけませんから。なので、そのたびに東京への出張と相成っている次第。

 

その出張の時、いつも楽天トラベルの「ANA楽パック」というのを使っています。これ、飛行機と宿がセットになったものなんです。冒頭の写真は、その予約で東京23区内で宿のエリアを選ぶ、という画面です。

 

そのANA楽パックですが、値段がとてもリーズナブルです。私はだいたい、伊丹・羽田の飛行機往復とビジネスホテルの宿泊、合わせて22000円前後で済ませているんですが、これ、どう思われますか?

 

これって普通の航空運賃から考えると、ホテル代はマイナスになるくらいの値段設定ではないか。新幹線での往復だけでも、もっと費用がかかりますよね。もちろん、新幹線にもパックがあるかもしれませんが。

 

また、この6月に旭川へ行った時にはLCCであるpeachを使いましたが、平日の安い運賃の時なら、関空・新千歳で往復16000円くらいで飛びます。新千歳へpeach利用は初めてで、これにもかなり驚きましたね。

 

ではなぜ、こうした費用設定が可能なのか。安いんだからいいようなものですが、今日も予約画面をいじくりながらそれがどうも気になったので、ちょっと調べてみる気になったのでした。

 

まず、LCCの場合はだいたい想像がつきます。peachも、日によって、時間によって、かなり運賃の差がある。また、時々「sale」があったりして、これまた驚きの値段設定です。これらの目的はひとつでしょう。

 

それは「空席をなくす」ということ。ガラガラの飛行機で飛ぶことほど無駄なことはないですが、でも飛ばないといけない。それを何とかして満席にする。フライトにかかる無駄な出費をなくす。値段の開きはその策なんですね。

 

ということは、全便が満席で飛ぶことが出来れば、航空運賃とは、いわゆる大手航空会社のものよりもかなり安く抑えることが可能である、とも言えるでしょう。この事情は新幹線も同じかもしれませんね。

 

じゃあ、なぜJALやANAはそうしないのか。こういうことに疎い私は全然知りませんでしたが、そもそも20世紀までは航空運賃というのは認可制だったんですね。お上が認めるものでなければならなかった。

 

それが2000年に届出制にとなり、自由化へ。確かに今はJALやANAでも「早割」とか「特割」とかいう運賃設定があります。でも、同時にお上から通達があったようです。「JALやANAの運賃は、新規航空会社の運賃を下回ってはいけない」と。

 

なるほど、これは大手航空会社には厳しい縛りです。そしてそうした厳しい状況の中で考え出された手法が「宿とのパック」ということなのでしょう。パック料金のうち航空券がいくらかは、表示されませんから。

 

空席をなくしたいのはどこも同じ。しかし縛りがかかった大手はこういうパックをその抜け道にし、安く旅行会社に卸していたんですね。そして、これは調べて「なるほど」と思ったことですが、パック料金という安売りの「抜け道」には、「値崩れの防止」という意味もあるらしい。

 

LCCの安売りがどんどん盛んになると、本当は大きく変動しているその費用のうち、安く売られている値段が「相場」になってしまって、普通の値段でも高く感じる。それが大手航空会社は怖いのだ、と。

 

旅行会社のパック料金では航空券分の費用は表示せず、パックだから安いんです、というかたちをとる。それは、航空券だけでの安売りに参入してその「相場形成」に加担しないための策にもなっている。

 

なるほどなるほど、ここまで調べて考えて、かなり納得できました。本当の意味の運賃自由化にはなっていない現状、しかし実際には自由化になっては困る大手の苦しい内情も。

 

しかし消費者の立場からすれば、自由競争が実現されていないのはあまり嬉しくない。もうそろそろ「抜け道」でない方向へ進んでいってほしいものですね。


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