土地の個性・ひとの個性

2016-10-19

〈出来上がった木の家からの素晴らしい眺望は、世界に一つ、ここにしか生れないものです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

西宮で進めてきた木の家づくりは、建物が完成し、先日から私のお客さまを何名か現場へご案内しています。お施主さまからも「私たちも先輩の家で学んだので、次の方々の参考にしてほしい」とのお言葉をいただいていましたので。

 

この木の家づくりのことは、このブログで何度もご紹介をしてきています。この6月初頭には「屋根をこえれば」と題し、骨組みが出来た木の家の、ロフトになる場所からの素晴らしい眺望をご紹介しました。

 

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これは、私がはじめて敷地に入った時の写真、昨年夏です。正面の家と左側の家の間に六甲の山並みが見える。そして、フラットな屋根の正面の家の高さを越えることが出来れば、もっと凄い眺望が広がるはず。

 

なので、2階からは家の間を狙い撃ちした眺めをゲットし、そしてもうひとつ高い位置には山並み全てを望める場所をつくる。それがこの家の最重要のコンセプトになり、それを形にする家づくりを進めてきました。

 

そして冒頭の写真が、後者で実現した眺望です。実は、6月にご紹介したロフトから屋根の上に出られる、展望台のような場所があるんです。そこに出てしまうと、もう眺めを遮るものは何もありません。

 

写真は先日のものですが、今日もご案内した方々とこの素晴らしい眺望を楽しんでいました。そしてそのとき私が思い出していたのは、この屋外の居場所のことを、ご主人が口にされた時のことでした。

 

屋根に上がって眺めを楽しむ場所ができないか、そんな話だったと思います。2階建ての家から見える眺望については、ロフトも含めて想定できていた私でしたが、正直そういうご要望は予想していませんでしたね。

 

でも、それを私に伝えてくださったが故に、こんな気持ちのいい場所が実現したわけで、それはこの家に住むことをどう楽しむか、それをご家族で考えられた結果である。即ちこちらのご家族の「個性」の発露だと思うんです。

 

私は敷地を見れば、そこにどういう家が建てば敷地のもち味を活かして住むことが出来るか、だいたいわかります。そうして間取りをご提案していくわけですが、でもそれだけでは家づくりは完全とは言えません。

 

敷地からご家族が感じ取られていること、そこでどのような暮らしを営むかについて考えておられること、そして私の提案を受けてご家族が感じたことが加わってきてこそはじめて、「そのご家族の家」になる。

 

土地にもそれぞれの個性があり、そしてご家族の暮らしぶりにもそれぞれ個性がある。そうしたものを共に織り込んでこそ、家は「暮らしのうつわ」として機能するのだ、ということですね。

 

とすれば、全く同じ間取りなど、あり得ようはずがない。それが、家を「買う」のでなく「つくる」ことにおいての、一番根っこにある思想だと私は思っています。

 

またひとつ、敷地の個性とご家族の個性が融合した「暮らしのうつわ」ができあがってとても嬉しい。でも、その思想がご案内した方々にも伝わったと思えたのが、それと同じくらい私には嬉しいことだったのでした。


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