斜めの下の使いかた

2016-10-26

〈実施設計打合せの中で、階段下の空間イメージを把握することはかなり大切です。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日は東京出張時の美術鑑賞のことを書きましたが、出張の本題はもちろん、お客さまと家づくりの打合せです。間取りが決まり、今度は「実施設計」という、もっと詳細に各部の形や仕様を決めていく段階へ。

 

その打合せの中で、今回お客さまから色々とご質問が出た場所がありました。それは、階段下の空間の使い方。元々の間取りではそこは収納になっているのですが、それをどうしよう?というお話。

 

お客さまいわく、「そこにちょっとしたカウンターをつくって、収納兼デスクみたいにならないかな?」と。そうお話されながら、実際そう使えるのかどうかがわからず、半信半疑のようなご様子です。

 

これは今回に限らず、家づくりの中でよく出てくるお話です。階段の下には三角形、あるいは台形のような形をした空間が生じますが、その形状と使い勝手が、なかなか一般の方には想像しにくいですから。

 

実施設計が進むとそこも図面として出てくるし、その段階ではよくわかるのですが、今はまだ平面図しかないのでちょっとイメージが湧きにくい。それは当然のことですから、私から色々とご説明していました。

 

今日の冒頭の写真は、以前つくらせていただいた木の家のそうした事例です。途中で折れるL型の階段、その後半三分の二の下の空間に、今回お客さまからお話が出たようなカウンターが造付けられています。

 

椅子が置いてある部分では、まだ階段の下に人が立つと頭を打つくらいです。でもこうしてカウンターをつくることで階段の真下には立たなくなるし、カウンターでは椅子に座るものなので、これで充分使える。

 

そして、このあまり高さのない場所がまた独特の雰囲気を醸し出して、いい感じなんです。こういうカウンターのように座って作業するような使い方には面白いし、向いている。なんだか見るからに楽しそうでしょう?

 

また、階段下を収納にする場合、横から使うと三角の空間にモノを入れるので、下の方がどうしても入れにくいという面はあります。この写真のお宅でも、最初三分の一の下はオープンにしてありますね。

 

このお宅では採用されませんでしたが、この部分は最近ならルンバの充電ステーション置き場になったりします。また、人によってはこの三角の場所を一種の床の間のように、モノを飾る場所にされる方も。

 

階段とは踏み板の連続ですが、この踏み板同士の間を塞ぐものを「蹴込み板」といいます。階段の下が収納ならば蹴込み板で内部を見えなくしますし、写真のような使い方なら、蹴込み板は必要ありませんね。無い方がスカッとして気持ちいい。

 

そして時にはこんな使い方もします。

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蹴込み板が光を通す素材になっています。この向こう側には手洗いカウンターがあって、オープンではよろしくないが、明るい階段からの光を取り込むという狙いでこうなっています。逆にカウンター部分の灯りが漏れて、これもまたいい感じですね。

 

階段の下になる床も、家の床面積のうちですから、無駄なく上手く活用しないともったいない。徐々に高さが増していくその「斜めの下」の空間には、そこならではの面白さもあるし、その活用法は色々とありますから。

 

今回お客さまと打合せした内容も、今後また図面に反映し、もっと細かくイメージできるようにしていきます。そして、このお宅ならではの階段下の活用法でご家族の愉しい暮らしに寄与できるよう、設計を進めていきたいと思っております。


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