アウトドア適材適所

2016-10-30

〈豊かな自然環境が問題となった現場で、外構工事をおこないました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日は吹田の新築現場での打合せのことを書きました。その後に箕面のKJWORKS本社「くらしの杜」に立ち寄ってから、夕方には外構の工事がおこなわれていた宝塚市の木の家へ。

 

このお宅は築14年目。ご覧の通り建物の南側に大きな楓の樹があり、他にもたくさんの緑が生い茂るお庭をもっています。というか、お隣に建つ母屋のお庭が先にあって、その空いた場所に建てたお宅なんです。

 

お庭の樹々をなるべく減らさないように、新築工事のときにも非常に苦労をしました。もちろん重機なども入りませんので、手作業でこつこつと建てました。私にとっても非常に思い出深い木の家です。

 

この緑豊かな、悪く言えば少し鬱蒼とした感のある森がこのお宅の魅力でもあるのですが、築13年経ってその影響がかなり現れてきました。問題は、開けたお庭と比べて陽が入りにくく、湿気が非常に多いこと。

 

といっても、木の家自体は断熱気密や風通しを考慮して建っているので何の問題もありません。最も影響を受けたのは、外に張り出した木製デッキでした。南側で陽を受けるデッキよりも木の傷み方が異常に早い。

 

木材の大敵である湿気、それも常時じめじめとしている状態の時間が非常に長かったんですね。今回の外構工事はそのデッキを一旦全て撤去し、そこに新しく「サンルーム」を設ける、というものだったんです。

 

冒頭の写真がそれ。一日でデッキを撤去し、一日でこのサンルームが設置されました。これ、LIXILさんの製品です。アルミフレームにポリカーボネートの屋根、ペアガラスのアルミサッシがついたものですね。

 

おそらく、新築時に「一緒にサンルームも」という話なら、建物本体と同じ木造でつくったでしょう。しかし今回は後付けであり、なおかつ先述のような多湿環境での設置ですから、これがベストな答えでした。

 

実は私も、このようないわゆる「既製品」のサンルームを設置するのは初めてでした。でも今回、事前に実測に来てもらって詳細に打合せをし、設置現場もチェックしてみて思ったのは、やはりこれも職人仕事だということ。

 

元々ある建物に後付になることが圧倒的に多いので、その都度家の状況、地面の状況に合わせ色々と工夫して取り付けるそうです。今回も既成の寸法では納まらず、特注寸法でピタリと合わせてくれていました。

 

フレームとサッシは特注寸法で現場でカットし調整する。そしてその寸法に合わせてガラスを発注し、はめ込むという手順。足元の基礎も非常にやりにくい地面でしたが、慣れた手つきで上手に納めてくれます。

 

私は木材で構築物をつくるのが志事です。正直に白状しますが、こうしたアルミの既製品を少し軽んじていた気持ちもありました。でも今回は自分でもこの方法がベストだと感じたし、そのおかげでまた違った職人さんの技に触れることもできました。

 

こうした「住んでみて困ったこと」を解決する工事は、常にその問題解決にむけてベストと思われるものを、既成概念に囚われず「適材適所」で採用することが、何よりお客さまの暮らしの質の向上になる。

 

この外構の工事で眼から鱗が落ち、そのあたり前に改めて気づきましたし、もちろお客さまも喜んでくださっています。「暮らしを実現する志事」が出来る、その新たな可能性が拓けたようで、とてもすっきりとした心持ちで現場を出ることができました。


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