小さな家

2013-11-16-01

〈久しぶりに自宅の最上部を見たので、その安らぐ空間をちょっとご紹介させてください。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は朝一番から、いつもよりだいぶ早起きした中学一年生の次女に呼び出されました。自宅の3階にある彼女の部屋を模様替えしたいから、一緒に見てお父さんも考えてよ、という話。

 

子供が大きくなってくると色々と注文がつくもの。高校生の息子の部屋も間仕切りをしたり、目隠しをつけたり、TVジャックを増設したりとちょこちょこリフォームしていますが、今度は末っ子の番のようですね。

 

3階は長女と次女がひとつの部屋をつかっています。入口も2つあって仕切れるようにもしてありますが、今のところまだ大丈夫らしい。今は長女がいないというのもありますが、二人は割りと仲良しなんです。

 

今回は机を移動し、出来た隙間にクロゼットをつくりたいと言う。中途半端な幅でIKEAの家具も入らない、と。じゃあ大工さんにつくってもらおうか、となりました。置型ならまた動かせるし、まあいいでしょう。

 

それで打合せは終了、いつもの朝に戻りましたが、私は久しぶりに娘たちの部屋に入ったので、冒頭の写真を一枚撮りました。ここは彼女たちの部屋の中央、造付けベッド上の空間。三方に窓がありますね。

 

部屋の中にハシゴであがるベッドがあって、その上がいわゆる「越屋根(こしやね)」になっているんです。越屋根がわかりにくいと思いますので、外観の写真を。こんな感じで、周囲から飛び出た屋根です。

2013-11-16-02

 

越屋根は、昔の民家にはよくありましたが、今はほとんど見ませんね。土間にあるカマドの上にある煙抜きであったり、明かり取りであったりと、その用途は「屋根の上で何かを出し入れする」ことです。

 

私の家の越屋根は、床から1.5mの高さにあるベッドの上に空間をつくるという意味、そしてそこから日中は明かりを、そして寝る時には風通しをもたらすという意味でつくりました。

 

そしてこの空間、内部から見ると「小さな家」のかたちをして、とてもいい感じです。昨日のブログにも小さな空間のお話を書きましたが、自宅最上部のベッドの上にも、ほっとする小さな空間があったのでした。

 

では、こうした「家型」の空間の下で、なぜ人は落ち着くのでしょう。そしてこうした小さな空間の中で、なんだか妙に安らかな気持ちになるのは、なぜなのでしょう。

 

それはきっと大昔、その小さな家型の空間をつくることで、我々の祖先が外界の厳しい自然から家族の身を守ることができた、その遠い安心の記憶が今も私たちの中にあるから。私にはそう思えてなりません。

 

この幅2mほどの越屋根の下で、その家型の小さな木の空間でもう10年近く眠っているうちの末っ子は、それに慣れきってしまっていますが、でもきっと、そういう空間体験をもっている人はあまりいないはず。

 

いずれそのことが彼女の暮らしの中で意味をもってくればいいなあ。今はまだ「あたり前」の中にいてわからなくても、違う場所で住むようになった時、何かを安心の記憶とともに感じてくれたら、親としては本望です。

 

今日は久しぶりに娘たちの部屋に入って、そんな想いを新たにしました。自分の家のもち味を再確認できたのも、なんだか新鮮でしたね。さあ、部屋の模様替えのこと、簡単に図面を描いて大工さんと相談することにいたしましょうか。


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