佇まいを統べるもの

2016-11-20

〈5回連続の勉強会、木の家が完成して、フィナーレを迎えました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は午後から、連続五回シリーズ「お家の勉強会」の最終回がおこなわれました。場所は吹田の現場、今まで基礎や骨組みや断熱を見学してきた木の家の、最後の完成見学会です。

 

この「お家の勉強会」の主旨は、木の家の完成形だけでなく、そのつくる過程とその技術や仕様を学びましょう、というもの。基礎の鉄筋や基礎の上の土台、壁の中の断熱材など、出来上がったら見えなくなるものたちを一緒に見てきました。

 

そうした体験を経た上で完成形を見るのは、やはり単に出来上がった状態だけを見るのとは違います。しかし、最後に見た断熱材の状態からは一気にその見た目が変わってしまうので、皆さんまずそのことに驚かれたご様子。

 

その中でも、現場ではわりと早めに施工されていて、なおかつずっと養生で隠されている「空間の主役」がついにお目見えしていました。それが冒頭の写真、厚さ4センチもある小国杉無垢板の床材です。

 

どうでしょう、この迫力は。いや、何とも言えず美しい。今回はお客さまのご要望もあり、節のある材とない材(無節)とを場所によって張り分けました。写真の「家族の間」は無節の板を張った部分ですね。

 

こうしたメインの空間の床に小国杉を張る時、無節の材を使うことは珍しい。どちらが良いかは全くの好みですが、張ってみてわかるのは、節ありよりもずいぶんとスッキリとした雰囲気になるということ。

 

今この板は「源平(げんぺい)」と言って、赤身の部分と白い部分が混在する板が多いです。でも段々とこれが「焼けて」くる。太陽光によって色が濃くなり、赤と白の区別がなくなってくるんですよ。

 

その時には、さらに一色でまとまった美しい床になることでしょう。今回のこの無節板の床は、私にもまた違った床のもち味を教えてくれたし、床材が空間の雰囲気に与える影響の大きさもまた、再認識させてくれました。

 

私の事務所「木の空間」の床はブラックチェリー材です。同じ木の空間でも杉とはずいぶん違った雰囲気になります。あるいはオーク材でも、メープルでも、ウォールナットでも、それぞれ大きく違ってくる。

 

やはり、空間の中に占める面積から言っても床材にどの木を選ぶかはとても重要であり、私たちは事前に設計ヒアリングで聞いたことや、いただいたイメージ写真などから、まず床材をご提案していくんです。

 

もちろん、大事な部分だけに決めるのに時間がかかることも多い。しかし床材をどうするかはそれに合う構造材の見せ方、建具や家具の面材の方向性を決めていくので、そこをセットでご説明し、進めていきます。

 

構造、床、壁、天井、建具・家具、これらの相性がどうかは、私たちの経験値を信じていただくしかないですが、しかしその集合体こそが空間の「佇まい」なのでしょうし、それは床材によって統率される。

 

今日も実際に節あり、無節、そして2階の赤松材の床も、実際に見て踏んで歩きながら、お客さまにそうしたことをご説明しました。これは今までの現場見学ではわからなかった、完成形ならではの学びですね。

 

最後にもうひとつ、同じ木の家でも「スッキリの」家と「コテコテの」家とがあります。それは上記の木の種類にも関係が無いではないですが、しかしもっと色んな要素が絡み合って出来る、空間の佇まいです。

 

KJWORKSの木の家は前者の方向性にあると私は思っていますし、そうした佇まいも、今日の完成見学会で皆さんに伝わっていたなら、とても嬉しいですね。


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