港につどって

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〈神戸・新港地区にあるKIITOでのイベントに参加し、建物も堪能してきました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は雨ですね。打合せの予定もない日曜、ちょっと神戸でおこなわれていたイベントへとお伺いしてきました。 デザイン・クリエイティブセンター神戸「KIITO」でおこなわれている「こうべガーデンカフェ2016」です。

 

「神戸で世界旅行!」と銘打ち、国内外の様々なものを扱うお店が出展して、 衣・食・住を通して「神戸らしい『くらしのデザイン』を楽しく体感」という催し。主催の小西美鶴さんからお招きいただきました。

 

そして、この会場となっている「KIITO」という建物にもかねてよりとても興味があったので、今日はその両方を愉しむつもりで訪れたんです。屋内のイベントは雨でも大丈夫なのがいいですね。

 

冒頭の写真は、KIITOホールでおこなわれたガーデンカフェの様子。一方には舞台があり、座席後方には本当に様々な飲食・雑貨などの出店がたくさん。これを予想して、お昼前に見参した私です(笑)。

 

すっかりお休み気分で、ギリシアのスブラキ(串焼き)とワインをいただき、チリのオープンサンドみたいなのを食べながらベルギービールを飲む、というかなり贅沢なランチを愉しませていただきました。

 

そして、食べつつ舞台を見ると、南京玉簾の演し物がやっている。久しぶりに見たなあ。なんだか、この国際色豊かな華やかさが神戸の面白さ、というのを再認識した次第。こんな様子でしたよ。

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そして一通りイベントを愉しんだあとは、建物内部を探検です。KIITOは元々「生糸検査所」という建物であったことからこの名称になっているのですが、生糸という言葉自体が、もう通じにくくなっていますよね。

 

お蚕さんの繭から取り出した絹糸のことを生糸と呼びます。絹織物の元となる糸ですね。これが、戦前の日本の一大輸出品だったんです。その輸出前の品質検査所ということで、港町・神戸にあるというわけ。

 

この建物は1927年(昭和2年)に建てられ、1932年(昭和7年)に増築されています。当初から言うと築90年近い建築。外観もとても特徴的なのです。この垂直線の強調は、ゴシックの意匠っぽいなあ。

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そして、イベントの写真でもわかりますが、内部もやはりレトロな雰囲気があちこちに漂っています。その雰囲気を活かしながら新しい用途に併せて一部をリノベーションしている建物でした。

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そして、旧生糸検査所の歴史を展示したギャラリーや、デザイン・クリエイティブセンター神戸としての資料や関連書籍を集めたライブラリーもありました。それがまた、古いもの好きの私には嬉しい空気感。

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古い歴史をもつ建物が、こうして新しい用途で人々に親しまれるのは、建築屋としてはとても嬉しいことですね。先日、解体されてゆく可哀想な集合住宅を見たので、余計にそう思います。

 

この生糸検査所が出来たころ、日本の輸出品のうち、金額トップは必ず生糸でした。その割合は総額の40%を超えたと言います。いや、私もそれほどまでとは今日初めて知りました。とんでもない数量です。

 

それだけの生糸が、検査のために国内からここに集まってきたんですね。そしてそんな歴史をもつ建物はいま、「人」を集めるための施設として機能している。「クリエイティブ」というものを切り口にして。

 

今日の愉しいイベントで私は初めてここを訪れましたが、この特徴ある建物がどう第二の人生を歩むのか、正直ここを訪れる前よりずっと興味が出てきましたね。

 

カフェやギャラリー、ライブラリーなどもありますから、今後はこの港沿いにある建物での「人の集い」の動向に気をつけ、イベントなどチェックしておこうと思ったのでした。

 

素敵な建築がさらに活き活きと輝くために、そしてその歴史に恥じない建築であるためにも、かつての生糸のように、港にたくさんの人々が集いくることを大いに期待する次第です。


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